2億5000万円の競走馬 スターダムにのし上がれるか?
ディープインパクトは現役引退後に種牡馬、いわゆる競走馬の父となったが、産駒(さんく)たちにもまた、優れた能力を遺伝させている。2013年末の時点でG1で勝利した産駒は9頭。ジェンティルドンナ(牝5・石坂)は性別の違いこそあれど、父と同じ三冠馬(牝馬三冠)となり、しかも父も成し遂げていないG1ジャパンカップ連覇を果たすなど、現役最強牝馬の名をほしいままにしている。また昨年はキズナ(牡4・佐々木晶)が、親子2代で日本ダービー馬となり、父も挑戦したG1凱旋門賞に挑戦。前哨戦となるG2ニエル賞で優勝すると、本番の凱旋門賞でも4着に入着し、ディープインパクトの“血”が世界の大舞台でも通用することを証明してみせた。 また、トーセンスターダムの母であるアドマイヤキラメキは、兄弟にG1天皇賞・秋の勝ち馬トーセンジョーダン(牡8・池江)、近親にはG1で2勝をあげ、現在は種牡馬となっているカンパニー(牡13)など、血統に重賞勝ち馬の名前がずらりと並ぶ良血馬。そこに均整の取れた馬体も加味されて、この年、セレクトセールに上場されたディープインパクト産駒の中でも、特に高い評価を受けていたのが「アドマイヤキラメキの2011」こと、トーセンスターダムだった。 ■高額取引馬と言えども活躍は約束されてはいない しかし落札額の高い馬が、そのまま活躍するとも限らないのが競馬の世界。「日本競馬史上最強馬」と言われるディープインパクトは、落札額は7千万円(税込み)ながらも、収得賞金は日本競馬史上歴代2位となる14億5455万1000円を記録。ちなみに、歴代1位となっているテイエムオペラオー(牡18)は1000万円の落札額ながら、18億3518万9000円の収得賞金を稼ぎ出している。 その一方で、「セレクトセール2006」に上場された「トゥザヴィクトリーの2006(牝)」は、日本の競走馬市場では、史上最高の6億円(税抜き)で落札されるも、怪我が元でデビューもできずに引退。現在は繁殖牝馬になっている。