2億5000万円の競走馬 スターダムにのし上がれるか?
また、馬主として様々なメディアに露出した関口房朗氏が、「セレクトセール2004」において、4億9千万(税抜き)で落札したのが「エアグルーヴの2004」。後にザサンデーフサイチ(牡10・松田国)と名付けられ、こちらもデビュー前から注目を集めたものの、2014年の1月時点で中央競馬で3勝、収得賞金も7196万5000円に止まっており、関口氏も同馬の所有を手放している。 ■投資目的から高額馬が誕生することも ただ、競走馬のセリ市から高額馬が誕生する背景には、高額な賞金や、そしてG1馬のオーナーという名誉を手に入れる以外にも、投資目的の意味合いがある。それが引退後の種牡馬、そして繁殖牝馬としての価値である。ディープインパクトが種牡馬となった際のシンジケート(種牡馬を共同で所有する組織)は、競馬の収得賞金を遙かに上回る総額51億円にものぼる。海外の競走馬市場で将来的に種牡馬になれそうな牡馬や、近年では母となってから優れた産駒を送り出すであろう牝馬にも高額の評価がされることもある。 一方で島川氏が2億5000万円を出してまで、トーセンスターダムを購入した理由は、種牡馬としての投資が目的なのではなく、純粋に強い馬、しかもクラシックを勝てるような競走馬が欲しかったからだろう。トーセンスターダムの他にも、昨年までに「セレクトセール」で1億円以上の評価がされた馬を20頭(税抜き)購入し続けてきた島川氏ではあるが、まだその中にクラシックホースはいない。勿論、トーセンスターダムがクラシックを勝った暁には、その血統背景からも種牡馬となる可能性は高い。しかもその後の活躍によっては、ディープインパクトのような高額のシンジケートが組まれる可能性もある。 ■今年の皐月賞は1200万円vs2億5000万円の戦いか? ちなみにきさらぎ賞で2着となったバンドワゴン(牡3・石坂)は、「セレクトセール2011」の当歳市場に上場されるも、血統面があまり評価されなかったこともあって、1200万円(税抜き)との評価でしかなかった。