【プレビュー】因縁の地での一戦。清水が昨季を乗り越え、J1昇格を決められるか | Jリーグ
【国内サッカー プレビュー】明治安田J2リーグは10月5日と6日に第34節を開催。ケーズデンキスタジアムでは、清水エスパルスと水戸ホーリーホックの試合が行われる。
清水エスパルスにとっては、“1年前のリベンジ”を果たすためのゲームとなる。悲願のJ1昇格が目前の状態で乗り込むのは、水戸ホーリーホックのホームスタジアムであるケーズデンキスタジアム。昨季、あと一歩でJ1昇格を逃し、歓喜ではなく落胆を味わった因縁の地で今季こそは歓喜の瞬間を迎えたい。 1週間前、J2史上最多観客数となる55,598人が集まった国立競技場で2位の横浜FCとの天王山を1-1で終えた清水は、ついにJ1昇格に“王手”をかけた。3位のV・ファーレン長崎の結果次第によるが、今節にも昇格が決まる状況。清水が水戸に勝った場合、長崎が引き分け以下、また、清水が引き分けに終わった場合でも長崎が敗れれば、その瞬間に悲願達成となる。 ポイントは先制点を奪えるかどうかになるだろう。勝てば文句なしであった昨季の最終節では、逆にそのシチュエーションが緊張を生んだのか、立ち上がりから動きが硬く、後半に先制を許し、終了間際に追い付くのがやっとのゲームであった。 約1年が経ち、メンバーも入れ替わっているため全部が全部参考になるとは限らないが、当時の反省を生かすためにもゲームの入り方は大事。リーグトップの得点数を誇る破壊力を発揮できるかがカギとなる。エースの北川航也、攻撃の中心を担う乾貴士の二人を軸にゴールに襲いかかりたい。 昨季途中に就任し、2年連続で昇格争いするチームを率いる秋葉忠宏監督にとっても、大きな意味のある一戦だ。2020シーズンからの3年間指揮を執り、チームのスタイルを作り上げたと言っても過言ではない古巣との対戦を制して、今季こそかつての庭で笑えるか。“漢・秋葉”を見せつけるときである。 水戸からすれば、目の前で相手の喜ぶ姿を見たい訳がない。昨季同様に“ヒール役”になることが、この試合においての最大の目的である。ホームで易々と勝点3は譲れない。 前節はアウェイで鹿児島と対戦したが、チャンスを決め切れず、逆にチャンスを決められ、0-3の大敗を喫した。決して試合内容のすべてが悪かった訳ではないだけに、切り替えと継続のバランスを上手く保ちながら、リバウンドメンタリティーを発揮したい。 また、この一戦はクラブのレジェンドであるGK本間幸司が今季限りでの引退を発表してから初めてのゲームとなる。在籍26年の不屈の守護神と一緒に戦える時間は残りわずか。ピッチに立つ全員が責任と誇りをもち、首位に立ち向かいたい。