賞金王と同女王の差は“ダブルスコア”も… 国内ツアーの男女トップ50人の総額を20年ぶん比較して分かった人気の変遷とは?
15年に年間獲得賞金ランク50位までの総獲得賞金が逆転
国内男子ツアーの最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が終了し、金谷拓実が初の賞金王に輝いた。その獲得賞金は1億1955万1222円で、賞金王としては過去20年で最も低い額となった。 【動画】衝撃のビッグドライブ… 竹田麗央が脅威の飛距離を見せつけた“圧巻”ティーショット これが実際の映像です
一方で、一足先に最終戦を終えている国内女子ツアーでは、年間ポイントレース(メルセデス・ランキング)でも1位の竹田麗央がもっとも多くの賞金を稼いだ。その獲得賞金は2億6573万16円で、こちらは20-21年の統合シーズンに稲見萌寧が記録した2億5519万2049円をも抜き去り歴代1位の額となった。 賞金王と同女王の差は1億4617万8794円と倍以上の開きが出たが、これはそもそもの試合数や賞金総額の違いと、賞金争いが最終戦までもつれ込み接戦となった男子と、1位の竹田が2位の小祝さくらに9000万円以上の差をつけて“ぶっちぎった”女子との展開の違いのあらわれでもあるだろう。 ツアー全体での差はどうなっているだろうか。24年の賞金総額(女子が約44億円、男子が約30億8800万円)のうち、年間獲得賞金ランキング50位までの総獲得賞金に絞って比較してみると、今季は女子が31億74万6301円、男子が22億3663万3611円となっており、その差は8億6411万2690円と、倍以上となったトップ2人ほどの差は出ていない。 近年の国内ツアーにおいて、獲得賞金額にこれほどの開きができてしまったのはいつからなのか。 この、年間獲得賞金ランキング50位までの総獲得賞金を、20年前までさかのぼってみると、2005年では男子の方が8億円近く上回っていたことが分かる。以降、徐々にその差が狭まっていき、松山英樹が賞金王を戴冠した2年後の15年に男女が逆転。以降は差が開いていき形勢は24年現在では20年前とほぼ入れ替わった状態だ。 とくに、コロナ禍で統合された20-21年シーズン前後の19年から22年に、“しぶこフィーバー”の影響もあってか、女子では約3億2000万円増加したのに対し、男子では逆に1億円減少しており、差が一気に開いた印象がある。年間の差は以降の3年間は8~9億円で、ほぼ横ばいとなっている。 来季の女子ツアーではすでに米ツアーで戦う、古江彩佳、渋野日向子、西郷真央、勝みなみ、西村優菜らに加え、すでに渡米を決めている竹田のほか、年間レース上位の山下美夢有、岩井明愛・千怜らが、今週の最終予選会の結果次第だが、主戦場を米ツアーに移す可能性があり、人気や注目度は日米で二分され、勢いはやや落ち着きそうな雰囲気もある。 12月中旬には両ツアーの25年スケジュールや賞金額が発表されるが、タレントが次々と米国進出する女子ツアーの勢いは続くのか。はたまた、男子ツアーは減少する試合数と、近年微減が続く賞金総額に歯止めをかけられるのかは、気になるところだ。
ゴルフのニュース編集部