紅白、FNS歌謡祭、レコ大、MステSP…「今年は数字が獲れないかも」年末の音楽特番が”不安視される理由”
忖度無用でも配慮が求められる背景
業界内で「今年は数字が獲れないかもしれない」と不安視される2つ目の理由は、STARTO ENTERTAINMENTとK-POPアーティストの扱いが難しくなったこと。 『紅白歌合戦』の出演者が発表されたとき、さまざまな声が飛び交ったが、とりわけ大きかったのが、「STARTO所属アーティストがいない」「K-POPアーティストが多い」ことに対する反応だった。 「現在最も視聴率とネット上の動きで影響力を持つ」と言われるSnow Manを筆頭に、民放はSTARTOの所属タレントに頼るところは大きい。旧ジャニーズ事務所時代のような過剰な配慮が不要になった反面、世間の目は厳しくなり、特に制作サイドは「出し過ぎではないか」という批判を恐れているという。 TOBEをはじめとする退所組との共演も頭を悩ませるポイントの1つ。なかでも、たびたびファンの対立が指摘されるKing&PrinceとNumber_iの扱いには細心の注意を図っているという。同様に他のボーイズグループとの共演も「スキル差が目立たない構成・演出で」など配慮が求められるポイントは決して少なくない。 一方、K-POPアーティストはSTARTOと同等以上に「視聴者の好き嫌いがはっきりしている」と言われるため、出演数や出演順の配慮が必要。たとえばK-POPアーティストを続けることで瞬間的に若年層の個人視聴率を獲得できる反面、その他の視聴者層を長時間にわたって失うリスクが発生する。 また、この1年あまり日本のボーイズグループは音楽特番でのコラボが定着しつつあるが、まだK-POPはそうもいかない。本人たちの意向やスケジュールなどの事情がある上に、「日韓の扱い」を比べられるなど、ネット上で制作サイドが批判されてしまうリスクがある。 さらにSTARTOとK-POPのアーティストを大量起用することもリスクの1つ。うまく分散させなければ両者のファン層ではない30~50代の視聴者が離れるリスクがある上に、他のアーティストと絡めた構成で各時間帯の“まとまり”を作ることも難しい。