紅白、FNS歌謡祭、レコ大、MステSP…「今年は数字が獲れないかも」年末の音楽特番が”不安視される理由”
「年末の音楽特番」出演者発表が続く
今月13日に12月4日・11日放送の『2024FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、16日に11月30日放送の『ベストアーティスト2024』(日本テレビ系)、19日に12月31日放送の『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)、21日に12月30日放送の『第66回輝く!日本レコード大賞』(TBS系)と大型音楽特番の出演者発表が相次いでいる。 【一覧】テレビ局「本当は使いたくないタレント」…ワースト1位は意外な大御所…! 以降も連日、第2弾、第3弾の追加発表が続き、例年通りであれば12月中旬から下旬にかけて、『CDTVライブ!ライブ!クリスマススペシャル』(TBS系)や『ミュージックステーション スーパーライブ』(テレビ朝日系)、『発表!今年イチバン聴いた歌~年間ミュージックアワード2024』(日本テレビ系)なども放送されるだろう。 いずれも生放送の長時間音楽特番であり、年末の風物詩だが、業界内を取材すると「今年は例年以上に難しくなっている」という声も聞こえてきてきた。いったい年末の音楽特番にはどんな背景があるのか。
今春以降「音楽番組の復活」ムード
出演者発表で最も話題を集めたのが『紅白歌合戦』で、ざっと数えただけでもネット記事の数は500本を超えていた。他の音楽特番も出演者発表のたびに100本を超える記事が飛び交い、それぞれに人々のコメントが書き込まれ、拡散されている。ネットメディアにとって年末の音楽特番はそれだけ反響が期待できるコンテンツということなのだろう。 レギュラー放送されている音楽番組と比べて、視聴率やXのランキングなどで段違いの数字が獲れることも含め、サブスク全盛の今なおニーズが健在であることは間違いない。 しかし、業界内で「今年は数字が獲れないかもしれない」と不安視する声があるのも確かだ。その理由は主に2つある。 1つ目の理由は、今春にレギュラーの音楽番組が増えたこと。今春、日本テレビがゴールデンタイムの音楽番組では34年ぶりとなる『with MUSIC』(土曜20時~)、フジテレビが各年代の名曲を紹介する『ミュージックジェネレーション』(木曜19時~)をスタートさせた。 さらにTBSの『CDTV ライブ!ライブ!』は放送時間を2時間に倍増。長寿音楽番組の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)も含め、ゴールデンタイムに主要4局の音楽番組がそろい踏みした。 音楽番組の復活を思わせるこの流れには、「最もスポンサー受けのいい10~40代の個人視聴率獲得が期待できる」という背景がある。民放各局で、「出演者と選曲、企画と演出を工夫することで幅広い世代のリアルタイム視聴が見込める」というマーケティングが一致したと言ってもいいだろう。 なかでも各番組が徹底しているのがライブを前面に押し出した演出。音楽パートがVTRの『ミュージックジェネレーション』以外は、音楽サブスクやネット動画では見られないライブ感を押し出した演出で一定レベルの視聴率を獲得している。