気を付けて! たんぱく質の摂り過ぎによる副作用を栄養士が解説
たんぱく質の摂り過ぎはどのくらい?
クリストマンさんによると、健康な成人の場合、体重1kgあたり2gのたんぱく質であれば長期にわたって摂取しても安全だという。また彼女は、許容上限は一日あたり体重1kgあたり3.5gだと補足する。つまり、それ以上の摂取は過剰摂取とみなされる。
たんぱく質の過剰摂取による副作用
これまで述べてきたように、たんぱく質は筋肉量の維持や増加に役立つ。しかし過剰摂取は、たんぱく質の代謝が促進されるほど運動量が多くない人の場合はとくに、副作用が生じる可能性があります、と説明するクリストマンさん。カークパトリックさんによると、たんぱく質の過剰摂取による副作用には次のような症状が挙げられる。 ・胃部の不快感 ・吐き気 ・消化不良 ・下痢 ・体重の増加 ・脱水症状(たんぱく質が過剰に摂取されると、より多くのたんぱく質を処理するために腎臓がオーバーワーク気味になり、頻尿になるため、脱水症状につながる恐れがある)
高たんぱく質ダイエットは安全?
「これは、たんぱく質の供給源(動物性か植物性か)や、一部の種類のたんぱく質を分解しづらい体質かどうかなど、多くの要因に左右されます」とカークパトリックさん。「たとえば腎臓病や肝臓病を患っている場合、これらの症状がたんぱく質の処理に影響する恐れがあるため、高たんぱく質ダイエットはおすすめできません」と彼女は続ける。
たんぱく質がダイエットに与える影響
高たんぱく質ダイエットによって、減量に役立つ可能性がある満腹感や満腹感の改善が期待できる。「たんぱく質の摂取量を増やすことは、砂糖や精製された炭水化物など、体重増加を助長する食品の摂取を減らすことにつながるかもしれません」とカークパトリックさんは補足する。また、減量しようとしている人にとって、たんぱく質の摂取量を増やすことは食事の質向上にもつながります、と彼女は話す。とはいえ運動量を増やすことなく、たんぱく質の摂取量を増やして摂取カロリーが増えると、体重も増加する可能性がある。
高たんぱく質の食品
「高品質のたんぱく質源には、たんぱく質の構成要素であるアミノ酸が含まれています」とクリストマンさんは説明する。クリストマンさんとカークパトリックさんによると、高たんぱく質の食品例は次の通り。 ・サーモン ・鶏胸肉 ・プレーンギリシャヨーグルト ・大豆 ・卵 ・低脂肪カッテージチーズ ・豆類 ・マメ科植物
たんぱく質の過剰摂取を避けるべき人は?
「慢性腎臓病や肝臓病など特定の病状がある人は、たんぱく質の摂取を制限する必要があるかもしれません」とクリストマンさん。「医療提供者に相談して、個人のニーズに合ったたんぱく質の摂取量を確認してください」 translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images