夫が若年性認知症 妻が「家族会」設立 介護長期化や仕事との両立「特有」の不安や悩み共有 できないことを悲しむのではなく、できることを喜ぶ 「愛おしい存在」再確認する場に
■できないことを悲しむのではなく、できることを喜ぶ
たんぽぽの会代表・青木恭子さん: 「できなくなっちゃったことを悲しく思う時期もあったんですけど、できていることをうんと喜んだり、お礼を言ったりするように変わりました」 恭子さんが前向きになれたのは、同じ経験を持つ家族との交流があったから。「今度は自分が」と、若年性認知症専門員の研修を受けて2024年10月、「たんぽぽの会」を設立しました。
■家族会で特有の不安・悩みを共有
若年性認知症と向き合う家族は、介護の長期化や仕事との両立など高齢者の場合とは異なる悩みがあると言います。 青木恭子さん: 「経済的な問題が大きくのしかかってきたり、この先、いつでもそばについているようになるのか、そういう心配はあります」 そうした不安や悩みを共有しようと、家族会は「カフェ」を開いています。 夫婦で参加した女性: 「夫が68歳なんですけど、軽度認知障害という診断を受けて、2人暮らしなので、内にこもっちゃうとよくないので」 夫(軽度認知障害の診断): 「今(妻が)話したこと、自分が話そうと思っていたことなので、話すことがなくなっちゃったんですけど」
この日は当事者やその家族のほか、サポーターや保健師も参加しました。 和やかな会話が続く中、恭子さんが別の部屋へ。大勢の前では打ち明けづらい家族もいることから、別室を用意して話を聞きました。
■参加者「葛藤を話せたのは初めて」
別室での会話を終えた夫婦は…。 夫が軽度認知障害・佐久市在住: 「やっぱり同じ環境の人が集まってるから、(たまってるものを)出せますね。(夫の認知症を)受け入れるまでの、自分の心の葛藤を話せたのは初めて。自分の気持ちはしっかり持たなきゃいけないんだけど、気を抜いてやってもいいかなって(思えた)、それが一番です」 軽度認知障害の夫(68): 「家族的な雰囲気がね、ざっくばらんに話ができるのでよかったな」 家族会のサポーター・佐藤和子さん: 「懲りずにまた来てね」 夫が軽度認知障害の女性: 「また来月来ますね、楽しみに」 家族会のサポーター・佐藤和子さん: 「愚痴の吐き合いでいいんだよ」