特別支援学校の子は「守る」べき存在?抵抗感を抱く人も… 全国でも少ない「養護学校」の名称を「支援学校」に、長野県教委が変更へ
地域の特別支援教育の「中心的役割を果たす学校」
長野県教育委員会は、特別支援学校の「養護学校」の名称を「支援学校」に変更する案を明らかにした。地域の特別支援教育の中心的な役割を果たす学校であることを明確にする狙い。来年の県会2月定例会に関連条例改正案を提出し、2026年4月から新校名にすることを目指す。 【写真】子どもたちが参加する養護学校の文化祭
「養護学校」を統一的に使っているのは長野など4県
県庁で同日開いた特別支援教育連携協議会で示した。学校の名称は、養護学校の保護者や関係団体から変更を望む声が上がり、21年度から関係者への聞き取りなどを進めていた。県立の養護学校は14校。全国では07年の学校教育法改正を受けて校名を変える動きが広がったが、県内は変更しなかった。県教委によると「養護学校」を統一的に使っているのは長野など4県。
長年親しまれてきた名称への配慮を求める意見も
条例改正案が可決されれば、25年度は周知期間に充て、看板など学校備品の名称変更も進める。保護者からは、長年親しまれてきた名称への配慮を求める意見もあり、各校で必要に応じて愛称を付けることも検討する。
「少しの支援が必要」という意味の浸透
県養護学校PTA連合会の山田近子会長(長野県東御市)は「養護学校」の名称について、子どもたちを「守る」べき存在だと捉えて抵抗感を抱く人もいると指摘。名称変更で「『子どもには少しの支援が必要』という意味が浸透し、今までよりも親しみを持ってもらえるといい」と期待した。
「盲学校」(2校)と「ろう学校」(2校)は、関係者から名称継続を求める声があることなどから変更しない。