私たちこそ相応しい…世帯年収2,200万円の30代「医師×外コンの最強パワーカップル」2億円の港区タワマンを購入。東京湾を一望、愉悦も…現実は「毎日目眩」懊悩の日々【CFPの助言】
購入を決めるまでの不安と克服
もちろん、購入前にはいくつかの不安もありました。 最大の懸念は、2億円という高額な価格。頭金として貯蓄から5,000万円を用意し、残りの1億5,000万円を35年ローンで支払う計画を立てました。 夫妻は以下の理由から購入を正当化しました。 世帯年収の高さ 現在の収入なら、月々のローン返済額(約40万円)や管理費、修繕積立金を無理なく支払えると考えました。 将来の資産価値 「港区のタワーマンションは資産価値が落ちにくい」という不動産業者の説明やネットで下調べをしたことで納得し、将来的にも資産運用として有利と判断しました。 新居に引っ越したAさん夫妻は、「これ以上ない幸福感を味わった」といいます。仕事終わりに眺める夜景、土曜日の朝にジムで汗を流し、ラウンジで優雅に過ごすひととき。休日には友人を呼んでパーティー。これまでの生活とは一線を画した豊かさがありました。 特に、Aさんが「仕事のモチベーションが一段と高まった」と話すように、生活環境がポジティブな影響を与えたことは間違いありませんでした。
見た目の豪華さだけではわからない現実…暮らしはじめて学んだ「5つの教訓」
購入時には「これ以上ない理想の住まい」と感じていたAさん夫婦も、いざ実際に暮らしてみると、物件の見た目や豪華さに気を取られ、気づけなかった「現実」が次々と明らかになりました。 ここでは、A夫妻が学んだ5つの教訓をまとめます。 1.ランニングコストは予想以上に大きい A夫妻が直面した最初の現実は、高額な管理費や修繕積立金などのランニングコストでした。 管理費と修繕積立金に加え、駐車場代など、維持費が家計に重くのしかかりました。 「購入時にはローン返済額ばかりを考えていたけど、毎月のランニングコストが家計を圧迫するとは思っていなかった」とAさんは振り返ります。 購入前には、毎月かかるランニングコストを細かく計算し、家計への影響をしっかりシミュレーションしましょう。特に管理費や修繕積立金は改定されることがあるので、将来の負担も考慮することが大切です。 2.高層階の生活は一長一短 高層階からの眺望は魅力的でしたが、強風や日射による生活の影響を予想していませんでした。特に強風の日には、窓ガラスが割れそうな音が響き渡り、夜中に目を覚ますことも。 また、夏場の日射で室温が急上昇し、冷房費が増えたことも不満の一つでした。「景色は素晴らしいけど、それだけでは日々の生活は成り立たない。近ごろは毎日のように眩暈がするんです。家でくつろげないのは本当に悲惨です」とBさんは話します。 高層階ならではの利便性やデメリットを購入前にしっかり確認しましょう。実際に物件を訪れ、風の影響や日射の強さを体感しておくことをおすすめします。 3.共用施設は過信しない ジムやプール、パーティールームなどの共用施設は、購入時に大きな魅力として感じていました。しかし、いざ生活が始まると、平日の夜や週末には予約が埋まって利用できないことも。次第に施設への期待が薄れていきました。「共用施設が使えないなら、外部のジムに通ったほうがよかったかもしれない」とAさんは後悔しています。 共用施設はあくまで「付加価値」として捉えましょう。利用頻度や予約状況を購入前に確認し、施設を過度に期待しないことが重要です。 4.住民とのつながりが希薄になりやすい タワーマンションの住民は忙しい人が多く、廊下やエレベーターで顔を合わせても、会釈をする程度。住民同士の関係性が薄く、孤独を感じることもありました。 「せっかくのラグジュアリーな生活なのに、同じマンションに暮らす富裕層の人と新たに知り合いになれないのは少し寂しい」とBさんは語ります。 タワーマンションでは住民同士の交流が希薄になりがちなことを念頭に置き、自分が求めるコミュニティやつながりの形を考えましょう。 5.資産価値は必ずしも安定しない 「港区の高級タワーマンションなら資産価値が落ちない」という期待を抱いていましたが、不動産市場は予測できないもの。周辺環境の変化や築年数の経過による価値の低下に直面する可能性があることを後から知りました。 「高額な物件でも、資産運用としてはリスクが伴うことをもっと考えるべきだった。毎日悩みはつきません」とAさんは話します。 物件の資産価値について過信せず、購入前に慎重なリサーチを行いましょう。不動産市場の動向やエリアの将来性、売却時のリスクを考慮に入れることが大切です。