エヌビディア株が一時4%下落、中国による独禁法違反の調査開始で
米半導体大手エヌビディアの株価は12月9日、中国の競争当局が同社の過去の買収に関して、独占禁止法違反の疑いで調査を始めたと発表したことを受けて、前週末と比べて一時約4%下落した。 複数メディアの報道によると、エヌビディアは2020年にイスラエルの半導体設計会社メラノックステクノロジーズを70億ドル(約1兆600億円)で買収したが、中国の国家市場監督管理総局は9日、この買収を許可した際の条件にエヌビディアが違反した可能性があるとして調査を開始したと発表した。 中国当局はこの買収を承認するにあたり、エヌビディアがメラノックスと開発する新製品に関する情報を90日以内に競合他社と共有することや、中国の半導体メーカーが、メラノックスの製品との互換性を確保できるようにすることを求めていた。 エヌビディアの株価は、米東部時間9日午前に6日の終値の約142.44ドルを約4%下回る137.13ドルに下落している。 エヌビディアの株価はここ数年、人工知能(AI)ブームを受けて急騰してきた。今回の中国当局による調査は、米国のバイデン政権が2日に、中国に対する先端半導体の輸出規制を強化すると発表したのを受けてのものだ。 中国政府はこれに対抗するかたちで、いくつかの希少鉱物の米国への輸出を禁止し、米国の防衛関連企業やその幹部に制裁を課すと発表している。 エヌビディアはまた、米国でも独占禁止法関連の問題に直面している。米司法省は今年初めに、同社がイスラエルのAIソフト開発会社Run:ai(ランエーアイ)の買収やその他のチップ事業において独占禁止法に違反した可能性があるかどうかの情報提供を求めたとブルームバーグは9月に報じていた。 エヌビディアの共同創業者でCEOのジェンスン・ファンの推定保有資産は1243億ドル(約18兆8000億円)で、フォーブスのリアルタイムビリオネアランキングで11位にランクされている。
Lindsey Choo