新車を買ったのになぜこんなことが…自動車ディーラーで起こりがちな「3つの悲劇」
● ディーラー事件簿(2) 納車遅れが最近増えている ディーラーのトラブルの中でも、最近よく耳にするようになったのが、納車遅れです。背景には、クルマの構造が複雑になって部品点数が増えたこと、コストダウンのために同じ部品を使うクルマが増え、その部品の争奪戦になりやすくなっていることが挙げられます。それに拍車をかけるのが、世界的な半導体不足や、災害でサプライチェーンが寸断されるなど。要するに、部品が手に入らないことがクルマの製造にブレーキを掛けているのです。 もちろん、ディーラーはこうしたことを考慮して受注しているのですが、思わぬ事態が起きて納車が遅れることも発生しています。そして、緊急対応に迫られるケースも出ています。 例えば、トヨタ自動車系列のディーラーでは、通常2個を付属させているスマートキー(電子キー)を納車時には1個として、納車後に1個を追加で渡すという方式を2024年7月まで採っていました。これも、半導体不足の影響と言われています。 車検に合わせてクルマの入れ替えを考えている人は多いでしょうから、納車時期の遅れによって、クルマのない空白期間が生まれるのは大きな問題です。通勤通学や業務、買い物などでクルマを使っている人は、余裕を持ってクルマの入れ替えを計画しましょう。万が一、納車遅れの際は代車が用意されることが契約書に明記されているか、よく確認しましょう。 逆に、予定よりも早く納車されることもあります。クルマの製造がスムーズに進行した場合です。ただし、購入者からするとこれも困ったものです。今乗っているクルマを予定の期間、乗っていたいケースもあるからです(初心者マークが取れるまでとか、子どもの年齢が保険の掛け金の安くなるタイミングとか)。 それに、支払いのタイミングも変わってきます。業務でクルマを使っている場合、どの会計年度に車両の購入代金を算入するかは大きな問題ですので、納車時期が早まることが必ずしも良いこととは限りません。もし、納車時期が早まるという連絡があり、それが自分にとってマイナス要素ならば、ディーラーに相談して納車日(もちろん登録日も)を調整してもらう必要があるでしょう。