チョコレートの原料・カカオの生産者は現地の子どもたち。世界から児童労働を減らすためにできることとは?
児童労働を監視・改善する仕組みを構築した地域のカカオで作られたチョコレートを開発
――児童労働の解決には、チョコレートを製造・販売する企業の努力も必要だと思います。企業はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。 白木:例えば、ブラックサンダーで有名な有楽製菓株式会社が「スマイルカカオプロジェクト」と称して、ブラックサンダーを含む全ての製品のカカオ原料を、スマイルカカオ(児童労働の監視・改善する仕組みを構築した農園で生産されたカカオ)に変えています。 江崎グリコ株式会社は、原料に使用している、ガーナのトレーサブルカカオの調達地域で、「児童労働フリーゾーン」構築に向けた支援活動を、ACEを通じて実施しています。 また、森永製菓株式会社では「1チョコ for 1スマイル」のコンセプトをもとに、チョコレート商品の売上の一部をACEに寄付し、カカオ生産地での危険な児童労働から子どもを保護し、就学を徹底する取り組みを、2011年から長期にわたりご支援いただいています。 チョコレート商品を通じた寄付による支援は、通販会社のフェリシモも10年以上続けてくださっていて、今年は新たにセブン‐イレブンでも取り組みが始まりました。 ――ACEではどのようなことに取り組んでいるのでしょうか? 白木:2023年に団体設立25周年を記念して「アニダソチョコレート」というチョコレートを開発しました。このチョコレートは、ACEの活動により児童労働をなくす仕組みを取り入れたエリアのカカオを使用しており、このチョコレートを1枚購入すると500円がガーナに寄付できる仕組みとなっています。 また、皆さんに安心して購入いただけるよう、株式会社UPDATERの協力によりブロックチェーン(※)の技術を活用し、ガーナの生産地域から店頭に並ぶまでの過程を可視化できるようにしています。 ※取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術のこと。参考:ブロックチェーンって何? | G.金融経済を学ぶ | 一般社団法人 全国銀行協会