衆院選の応援で「小池百合子氏」がやたら目立つなぜ、勝ちそうな候補は直接応援に透けて見える魂胆
今回の衆院選では「政治とカネ」問題で喘ぐ自民党に注目が集まっているが、小池百合子東京都知事の動きにも注視したい。 【写真】23日には東京20区に出馬している木原誠二元内閣官房副長官の応援に駆けつけた小池百合子東京都知事 自らが特別顧問を務める都民ファーストの会は独自候補を擁立せず、国民民主党を支援することを表明した。だが小池知事は国民民主党の候補の応援に入らず、時には同じ選挙区に立候補している与党候補の応援にすら出向いている。 はたしてその目的は何なのか。あるいは断念したと思われた“国政への野望”が、再び燃え始めたのか。それとも――。
■自民党東京都連との関係悪化→修復 「知事として都政を前に進めるにあたり、さまざまな要請活動などをし、また都と国との連携を図るということで、いろいろとキーパーソンの方々もおられる。そうした方々からのお願いがあり、できる限り応えることは、東京都にとっても意味があるということから応援に入らせていただいている」 10月25日の定例会見で、小池知事は記者の質問にこう答えている。そしてこの日の夜、小池知事は東京25区に出馬している井上信治氏を応援するため、JR昭島駅前でマイクを握った。
自民党東京都連会長を務める井上氏は、小池知事にとってまさに“キーパーソン”にほかならない。自民党都連は今年7月の都知事選で小池知事を支援。29人の都議を擁する自民党は2021年の都議選から都議会第一会派となっており、小池知事にとって重視すべき存在だ。 しかし、小池知事と東京都連との関係は、最初から良好だったわけではない。 2016年の都知事選に小池知事が出馬したのは、自民党都連に対する不満が原因だった。「都議会のドン」の異名を持つ内田茂自民党都連幹事長(当時)らとの折り合いが悪かったため、小池知事は「都連はブラックボックス」と吐き捨てたこともあった。
だが、内田氏が2022年に亡くなり、“壁”はなくなった。2021年に都連会長に就任した萩生田光一氏は、旧統一教会問題の発覚でそれまで支持してくれた創価学会が離反。そこで公明党に近い小池知事を頼り始めた。 自民党は昨年12月の江東区長選では独自候補を擁立できず、小池知事が抜擢した大久保朋果元東京都政策担当部長(当時)に抱きつかざるをえなかった。今年1月の八王子市長選でも萩生田氏が擁立した初宿和夫元東京都人事委員会事務局長(当時)が野党系候補に追い上げられ、小池知事に応援に入ってもらって辛勝した。