売上2ケタ成長の花王「KATE」が挑む新たな取り組み。反響を得ている「没入型ECストア」「グローバル旗艦店」の特徴を担当者が語る
岩田氏によると、「KATE SCAN」の分析手法は「KATE」独自のロジック。筆者が他社のパーソナル分析のサロンで顔タイプ診断を受けた際は「エレガント」に分類されたが、「KATE SCAN」の診断結果は一般的な診断よりも細分化されていると感じた。
■ 「KATE」製品の購入動機に
顔タイプに沿った似合うメイクやおすすめの「KATE」製品も示される。「KATE」製品を使ったメイクアップのイメージ画像では、実際にメイクした場合の仕上がりが完全には想像できなかったものの、「『KATE』を使ったメイクを実際にやってみたい」という動機づけにはなった。
続いて、「PERSONAL MAKEUP」のEYEBLOWを体験した。顔写真を撮影すると、おすすめの眉の形とアイブロウメイクが提案される。おすすめカラーとしては「グレー」や「ブラウン」が提案されたが、ニュアンスカラーとして「オレンジ系」が提案された。この点は「いつもと少し違う自分に出会う」メイクの提案をされたと感じた。 実は、1度目の顔タイプ分析と2度目の眉に関する診断では、顔タイプの診断結果が異なっていた。1度目はクール ×温かい印象の「RITO (璃灯)」、2度目はクール ×かっこいい印象の「KOTO (光透)」。岩田氏によると、写真の撮り方やメイクによって診断結果が多少変わることはあるという。
グローバル旗艦店からのEC送客も順調
「KATE」は、2024年7月25日にブランドとして初となるグローバル旗艦店「KATE TOKYO 渋谷サクラステージ店」をオープンした。リアルとデジタルを融合した「KATE」ならではの体験ができる店舗としている。「予想以上の来客があり、売上高も順調に推移している」(岩田氏)
入口付近に設置されている「KATE iCON BOX(ケイト アイコンボックス)」は、来店者からの人気が特に高い。利用は無料で、「週末は行列ができるほどの反響」と岩田氏。顔印象分析の結果によって、個々の利用者におすすめのアイシャドウを4色提案する。アイシャドウを購入する場合は専用ケースと製品がボックスの出口から出てくる仕組みだ。おすすめされたカラーをそのまま購入する人も多いという。