コンサドーレ札幌が降格したのはなぜか 「ミシャらしい」サッカーの「光と闇」
12月1日、広島。北海道コンサドーレ札幌は、サンフレッチェ広島の本拠地に乗り込んでいる。しかし、残留をかけた戦いはすでに終わっていた。広島行きの機内で、他会場の結果(残留を争っていた柏レイソルがヴィッセル神戸に引き分け)による「J2降格決定」の事実を知らされたという。 【画像】NMB48&北海道コンサドーレ札幌サポ 堀詩音さんフォトギャラリー 「昨日の結果で降格が決まり、今日の試合を迎えることになって、『いいゲームをしよう』と選手に伝えて入りましたが......やはり難しいものがありました」 札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督はそう振り返っている。優勝争いをする広島との力の差は歴然で、5-1と大敗した。 「小さなところの違いの積み重ねが、この差になりました」 ミシャという愛称で親しまれる指揮官はそう総括すると、ピッチで広島の青山敏弘の引退セレモニーが続く間、喋り続けた――。 なぜ、札幌は降格したのか? それを、この広島戦で語ることはできない。選手は戦意を削がれていたはずで、単純に広島の勢いが上回ったのはある。ひとつ言えるのは、「ミシャ札幌の匂いはした」ということか。 「前半は立ち上がり、広島の強い圧力に苦しみました。その時間帯で失点してしまった。ただ、その後は主導権を握って、同点に追いつくこともできましたが......」 ミシャはそう言うが、1点目の失点と得点に札幌の"闇と光"が見えた。 前半8分、札幌は岡村大八がトルガイ・アルスランをマンツーマンで潰しに行っているが、果断さに欠け、ファウルを取られる。その2分前、同じくアルスランに入れ替わられ、イエローカードを受けていただけに伏線はあった。素早いリスタートから左に展開されると、どフリーからのクロスに、大外の加藤陸次樹のマークも見失い、簡単に合わされていた。 ミシャが信奉するマンツーマンは、ひとつの綻びで他に混乱が生まれる。対面する選手に負けないことが、戦術運用の絶対条件だが、広島戦の札幌は、各所で個人として負けていた。その局面は敗北に直結したと言える。