コンサドーレ札幌が降格したのはなぜか 「ミシャらしい」サッカーの「光と闇」
【明らかだった得点力不足】 ミシャ札幌は7年目で、J1から"陥落"した。 ただ、戦いの様式そのものは否定されるべきではない。むしろポリシーを徹底し、選手を成長させたこと自体、大きな成功と言える。降格した今となっても、だ。 では、7年目で降格したのはなぜか? 単純に、選手の入れ替えの多さはあった。昨シーズンの途中にMF金子拓郎が欧州へ渡り、昨シーズン後に精神的な支柱だった小野伸二が引退、FW小柏剛、MFルーカス(・フェルナンデス)、DF田中駿汰、福森晃斗など主力が移籍した。補強はしたものの戦力ダウンは否めず、前半戦は8連敗を喫した。今年夏にDFの大﨑玲央、パク・ミンギュを補強したあと、8月以降は挽回したが、得点源として期待されたジョルディ・サンチェス、アマドゥ・バカヨコは空転し、反撃も失速した。 37節終了時点で66失点は2番目に多い数字で、守備の脆さは目立つ。しかし、目を引くのは、3番目に少ない42得点のほうだろう。攻撃的スタイルを標榜するチームとしては致命的だ(全34節の昨シーズンは61失点も、56得点だった)。 極論すれば、得点力のある選手の欠如が響いたか。 「我々は7シーズン、『札幌らしい』と言われるサッカーを見せ、それは代名詞になりました。残留は果たせなかったですが、クラブは毎年の積み重ねで成長しているので、来シーズンはJ1に上がれるはずです」 ミシャは、そうエールを送った。すでに札幌の監督退任が決定。ひとつの時代がまもなく終わる。 12月8日、最終節はホームでの柏戦だ。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki