【円安・円高】外貨建て保険はいつ解約するべき?外貨建て保険解約に潜むリスクと注意点
円安の影響で、外貨建て保険の解約を考えている方は多いのではないでしょうか。 実際、2024年4月には金融庁から外貨建一時払保険の契約後4年以内の解約等が約6割、という衝撃の調査結果が出ました。 ◆【長期保有がカギ!】米ドル建て一時払い保険と投資信託の運用パフォーマンス分析結果 外貨建て保険は円安時に解約すると有利になることもありますが、同時に複数のリスクも存在します。 この記事では、外貨建て保険を解約する際に知っておくべき重要なポイントについて詳しく解説します。外貨建て保険の解約、もしくは加入を検討している方もぜひ参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
外貨建て保険とは?
まずは、外貨建て保険の概要や基本的な仕組みについて確認していきましょう。 ●外貨建て保険の基本的な仕組み 外貨建て保険は、保険料が外国債券で運用される保険商品で、終身保険、養老保険、個人年金保険などの種類があります。 米ドルや豪ドルなどの外貨で運用することで円建て保険よりも高い利回りが期待できますが、債券運用となるため、「為替リスク」のほかに外貨預金とは異なる「金利リスク」が伴います。 外貨建て保険はあくまで長期保有をすることで「為替リスク」や「金利リスク」をカバーできる商品です。 外貨建て保険を持つ最大のメリットである「金利収入」は長期保有することで得られるものです。 運用期間を長期化することで値下がりリスクは軽減し、トータル的なパフォーマンスが向上します。 長期運用は金利の複利効果を十分に享受するための重要な要素であることをまず前提として押さえておきましょう。 では次に中途解約をした場合、どんな影響があるのかを説明します。
外貨建て保険を解約するメリット・デメリット
この章では、外貨建て保険を解約するメリットとデメリットをそれぞれ解説します。 ●外貨建て保険を解約するメリット 2024年7月3日、東京外国為替市場で対ドル円相場は1ドル161円90銭台まで下落し、1986年12月以来、約38年ぶりの円安水準を更新しました。 しかし、8月2日現在、株安や日銀の政策金利引き上げ決定によりドル円は1ドル150円を割り込んでいます。 しかし、前年の同月は1ドル143円、2年前は1ドル134円、3年前は1ドル110円です。直近でみると円高ですが、年単位で見ると大幅な円安といえるでしょう。 さて、円安進行時に外貨建て保険を解約することは、円で換算した外貨建て保険の評価額は高くなりメリットとなります。 例えば、1ドル=100円から1ドル=110円になると、ドル建て資産の評価額が10%上昇します。 この変動により、円安が進行することで保有するドル建て保険の評価額が増加し、結果として解約返戻金や保険金の受取額が円ベースで高くなり、外貨建て保険の評価額は上昇します。 ●外貨建て保険を解約するデメリット 一方、投資した外国通貨の金利が上昇することは外貨建て保険の評価額が下がる要因になります。 債券で運用する保険の中途解約は、債券保有者が保有する債券を他の投資家に売り出す行為です。売却時には市場価格が適用され、売却価格が低くなってしまう可能性があります。 例えば、金利3%の債券を額面100ドルで購入し、解約時には市場金利が5%に上昇していたとします。市場では5%の金利が得られる新しい債券が発行されているため、3%の金利の債券は相対的に魅力が低下し、買い手は減少します。 そのため、売却価格は額面金額の100ドルを下回ることになり、外貨ベースでの受取額が減ります。 これがいわゆる「金利リスク」と言われるもので評価額に非常に大きく影響しますが、この金利リスクについてきちんと理解している人は少ない印象です。 また、外貨建て保険を解約すると解約控除という手数料が発生することも見逃せません。これら複数の要因が返戻金にどのように影響するか十分に理解することが重要になります。