〔東京外為〕ドル、156円台半ば=FRB議長、利下げ慎重姿勢(15日午前9時)
15日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利下げに慎重な姿勢を示したことを背景に買いが強まり、1ドル=156円台半ばに上昇している。午前9時現在、156円46~48銭と前日(午後5時、155円83~84銭)比63銭のドル高・円安。 前日の海外市場では、欧州時間は買いが優勢となり156円20銭台に上昇。米国時間の序盤は米長期金利の低下を背景に155円50銭前後に値を下げた。中盤はいったん156円10銭近辺まで値を戻したが、買いは続かず、155円60銭台に軟化。終盤は155円90銭前後で推移した後、FRBのパウエル議長が講演で利下げに慎重な姿勢を示したことで買いが強まり、156円40銭まで値を上げ、7月下旬以来約4カ月ぶりのドル高水準となった。東京早朝は、156円30~40銭台で取引されている。 パウエル議長は南部テキサス州ダラスで講演し、「経済状況は利下げを急ぐ必要があるとのシグナルを出していない」などと発言。市場では「タカ派的な発言で、12月の利下げ観測がやや後退した」(大手証券)との声が聞かれた。 東京時間は、「週末の五十日のため、実需の売り買いが活発になる」(同)という。仲値公示にかけて実需の売り買いが交錯した後は「トランプトレードが意識され、じり高になる」(外為仲介業者)とされるほか、パウエル議長の発言が改めて意識されれば、ドル買いが進む可能性がある。一方、「155円を超え、介入警戒感が高まっているため、上値は抑えられる」(大手邦銀)との指摘もあった。 ユーロは対円で上昇、対ドルで小幅安。午前9時現在、1ユーロ=164円75~77銭(前日午後5時、164円42~45銭)、対ドルでは1.0529~0529ドル(同1.0551~0551ドル)。