〔東京外為〕ドル、156円台前半=財務相、円安けん制で上げ幅縮小(15日正午)
15日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、財務相の円安けん制発言を受けた売りに押され、1ドル=156円台前半に小幅下落した。正午現在は156円39~39銭と前日(午後5時、155円83~84銭)比56銭のドル高・円安。 前日の海外市場では、欧州時間は買いが先行し、156円20銭台に浮上。米国時間の序盤は米長期金利の低下を背景に売りが優勢となり、155円50銭前後に水準を切り上げた。中盤はいったん156円10銭近辺まで値を上げたが、買いは続かず、155円60銭台に下押された。終盤は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利下げに慎重な姿勢を示したことで買いが強まり、156円40銭台まで水準を切り上げた。 東京早朝は156円20~40銭台で推移。午前9時前から五・十日要因に伴う実需買いが入り仲値公示にかけ156円70銭台まで上昇。実需買い一巡後は、「持ち高調整などの売りが出た」(国内銀行)とされ、156円30銭台に軟化。その後はやや買いもどされたが、加藤財務相の円安けん制発言が伝えられると、156円30銭台に値を下げた。 加藤財務相は為替動向について「足元では一方的で急激な動きもみられる」「行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていきたい」などと発言。「介入警戒感が高まっているタイミングでの発言で、手じまい売りにつながった」(資産運用会社)という。 ドル円は「トランプトレードが意識され、底堅く推移する」(先の国内銀行)との声が聞かれた一方で、「円安けん制発言を受けて、いったんは上値追いには慎重になる」(先の資産運用会社)との指摘もあり、午後は方向感が出づらい展開になりそうだ。 ユーロは朝方に比べ対円、対ドルで上昇。正午現在、1ユーロ=164円84~86銭(前日午後5時、164円42~45銭)、対ドルでは1.0541~0541ドル(同1.0551~0551ドル)。