iOS 18.1で何が変わる? Apple Intelligenceで進化したAIとAIじゃない機能10選
10月28日、iPhone向け「iOS 18.1」がいよいよダウンロード開始し、Apple Intelligence機能の第一弾がついに使えるようになりました(日本語版の利用開始は来年。デバイスとSiriの言語を英語(米語)に設定すれば、日本でも利用可能です)。 iOS 18.1で何が変わる? Apple Intelligenceで進化したAIとAIじゃない機能10選 その一部は、macOS 15.1 Sequoiaでも利用ができるようになりました。
Apple Intelligenceを有効(または無効)にする方法
iOS 18.1アップグレード版にアクセスするためには、Apple Intelligenceを手動で有効化しなければなりません。 まずは、お持ちのiPhoneをiOS 18.1にアップデートします(設定>一般>ソフトウェアアップデートでアップデート可能)。 次に、設定を開き、Apple IntelligenceとSiriという新しいタブを見つけてください。 タブ名には「Siri」も含まれていますが、このトグルは、iPhoneのAI機能すべてをコントロールするためのものです。 トグルをオンにすると、Apple Intelligenceが有効になりますが、場合によっては、Apple Intelligenceの待機リストに登録してからでないと、実際にはAI機能を使えないかもしれません。
iOS 18.1とApple Intelligenceでできること
1. 作文ツール AIを使った文章の書き直し、校正、要約ができる「作文ツール」が登場します。文法の誤りを修正したり、下書きをより簡潔にまとめたりするのに役立つでしょう。 また、自分が書いた文章をAIで、箇条書きスタイルの要約にしたり、要点を抜き出して表にしたりもできます。 この作文ツールはiPhone全体に適応されているので、テキスト入力欄であればどこでも使えます。 2. Siriがパワーアップ SiriはiOS 18.1で、インターフェースが刷新されたのに加え、リクエストをタイプ入力できるようになりました。 また、言語モデルが新しくなったので、自然言語の理解力がアップし、前のリクエストから次のリクエストへと文脈を引き継ぐことが可能です。 たとえばSiriに対して、「ジョン」にテキストメッセージを送るよう頼んだとしましょう。 続けて、「折り返し電話が欲しい、と彼に伝えて」と頼むと、あなたがまだジョンについて話をしていることを、Siriは理解しています。 3. スマートリプライ 「スマートリプライ」は、テキストメッセージやメールを作成するときに、文脈に添った返信を提案してくれる機能です。メールを使う多くの人にとっては、取り立てて珍しい機能ではないでしょう。 たとえばGmailでは、もとのメッセージの文脈に応じて、返信を提案してくれます。 時間に追われており、手短かに返事をして次の作業に取り掛かりたいときなどは、返信を提案してもらえるとありがたいでしょう。 ただし、内容が込み入っていて簡単に返事ができないメールの場合は、さほど役に立たないかもしれません。 4. 通話の録音と書き起こし iOS 18.1へのアップデートで、iPhoneでもついに通話の録音が可能になります。 しかも、当初の予定ではiPhone 15 Pro以降のモデルに限定されていましたが、意外にも、iPhone XS以降の全モデルで、通話録音が利用できるようになっています。これはちょっとした驚きです。 というのも、通話の録音に使われているとされるApple Intelligenceは、iPhone 15より古いモデルに対応していないからです。 いずれにせよ、通話録音用のボタンが電話アプリに追加されており、録音を開始すると、参加者にそのことが通知されます。 また、保存された内容は、文字で書き起こしができます。iPhone 15 Pro以降では、AIを使って通話内容を要約することも可能です。 つまりApple Intelligenceは、通話の録音で何らかの役目を果たしているわけです。いずれにせよ、AIが使えないiPhoneでもいまのところ、通話の書き起こしはできる模様です。 iOS 18.1では、メモアプリに録音した音声についても同様の扱いになっており、録音された内容が自動で書き起こされます。 5. 通知の要約 「通知」を、AIを使って要約する機能も登場しました。関連する通知をひとまとめにし、それらの要点を一度に手早く確認できるものです。 たとえば、電気代の請求書、領収書、受取確認書について、それぞれ通知が届いたとき、ひとつの通知で知らせてくれるので、スクロールしてわざわざ個別に確認する必要はありません。 Apple Intelligenceを最初に有効にすると、この通知の要約機能を設定するよう促されますが、設定>通知と進んだところで、オン/オフを切り替えることもできます。 6. メールアプリとメッセージアプリでの要約 通知の要約と同様に、メールアプリとメッセージアプリでも、長いスレッドを要約できるようになります。やり取りの内容を手早く把握できるわけです。 あるベータユーザーが、この通知の要約についてXに投稿したエピソードが話題になっています。 なんでも、前のガールフレンドから送られてきた、別れを告げるテキストメッセージを、AIが的確に要約してくれたそうです。 7. 写真アプリのアップデート 写真アプリには、AIを活用したアップデートが多く施されています。 たとえば、写り込んでいる不要なものを削除できる「クリーンアップ」(Googleの消しゴムマジックと似た機能)が登場したほか、ライブラリでは、自然言語を使って検索ができます。 また、Apple Intelligenceに文章を入力すると、それに合致する写真を集めて特別なコラージュを作成できる「メモリームービー機能」もあります。 8. 集中モードでも重要な通知は表示してくれる「さまたげ低減」 iPhoneが集中モードになっていても、Apple Intelligenceが、すぐに確認すべき重要な内容だと判断した場合に通知を表示してくれるのが「さまたげ低減」です。 この機能を試したいときは、iOS 18.1で「さまたげ低減」の集中モードを選択してください。 9. iOS 18.1で登場する非AI機能 Apple Intelligenceに対応していないiPhoneをお持ちの方でも(繰り返しますが、iPhone 15より古いモデルは非対応です)、 iOS 18.1にはアップデートがたくさんあります。 すでにご紹介したように、通話の録音はAI機能として謳われていますが、古い機種でも利用可能のようです。 コントロールセンターには、自分が変更した設定に満足できないときに使えるリセット機能 Wi-Fi、Bluetooth、AirDrop、モバイルデータ通信などをまとめた「コネクティビティ」専用のタイルが追加 iPhoneの画面をMacにミラーリングしているときに、iPhoneのファイルをドラッグ・ドロップしてMacに取り込める iPhoneのNFCチップを、サードパーティー製アプリが利用できるようになったため、交通系カードやホテルのルームキーなどとしての利用 10. まだ利用できない機能 AppleはAIを、iOS 18.1で試験的にあれこれ試しているにすぎません。ということで、今後はさらに多くの機能が登場するのを期待しましょう。 たとえば、画像生成機能の「Image Playground」と「Genmoji」、ChatGPT統合、Siriの文脈把握力のさらなる向上、Siriのサードパーティー製アプリへの支援拡大に加えて、写真を撮るだけで周囲の状況に関する役立つ情報を提供してくれる「Visual Intelligence」などが登場すると見られます。 Apple Intelligenceは、リリース直後の現段階では、米国と英国でのみ利用可能ですが、12月にはさらに多くの英語圏で対応する予定です(2025年には、日本語を含む多数の言語に対応予定)。 いまのところ、(法制度などとの関係で、)欧州連合(EU)と中国本土で正式にリリースされる予定はありません。
遠藤康子(ガリレオ)