年収1億円も狙える、米富裕層の子どもに特化した「高級家庭教師」
資金に余裕のある親たちは、意味のある投資だと考えている
Forumに所属する35人の家庭教師たちの中には、メンキングのような元ウォール街の業界人もいれば、学者や長年のプロの家庭教師もいる。ハウエルと彼のチームは厳しい採用基準を設けており、応募者はニューヨーク市の私立学校の生徒を3年以上教えた経験を持つことが最低条件で、複数の面接や模擬授業を経てようやく採用される。これまでに2000人以上が応募したが、設立から10年間で採用されたのはわずか35人で、採用率は2%以下だという。 マンハッタンのダウンタウンに住むある母親は、大学生の息子の家庭教師陣にForumの「精鋭」を加えたばかりだ。「私の息子は、大学で世界で最も難しいコンビネータサイエンスの授業の1つを受けていますが、Forumでは、この分野の博士号取得者の家庭教師から直接指導を受けられるのです」と彼女は話す。 この母親は、現在はアイビーリーグの2年生になった双子の息子たちが小学生だった頃からForumを利用しており、1時間あたり400ドル(約6万3100円)から1000ドル(約15万7800円)の費用で授業の補習からメンタル面のサポートまでを行う家庭教師が「家族同然の存在になった」と話す。「夫と私は、このサービスに計り知れない価値があると感じています。私たちは、彼らを個人的に知っているし、その対価を払えることをとても幸運だと思うのです」と彼女は語った。 Forumは現在、幼稚園から大学院生までの多岐にわたる200人以上の生徒を抱えている。「私たちの顧客の大半は、ニューヨーク市の私立学校に通う子どもを持つ親たちです。彼らは子どもたちのための最善のサポートに投資を行なうことの価値を理解しています」とハウエルは話す。 ニューヨーク市の私立の中等教育機関の学費は、educationdata.orgによれば平均約2万7000ドル(約415万円)で、最も権威のある私立学校では、6万ドル(約1000万円)を超えるという。例えば、1887年創立の伝統ある幼稚園から高校までの私立一貫校であるホーレス・マン・スクールの場合は、直近の1年間の学費が約6万4000ドル(約980万円)とされている。 Forumのサービスは、すべての家庭がアクセス可能なものではないが、資金に余裕のある親たちは、同社の家庭教師が意味のある投資だと考えている。「私たちは独自の基準に基づいて、厳選した教師のみを顧客に提供しています」とハウエルは語った。
Emma Whitford