“賛否両論”の戦術も、貫いた“勝つために”の信念「自分たちの戦い方を信じた」フウガレディース初の上位リーグで5戦3勝|フットサル
期待以上の力を見せてくれた
●フウガドールすみだレディース|窪堀宏一監督 ──試合を振り返って。 まずは、優勝した西宮に「おめでとうございます」と言葉を送りたいと思います。 自分たちはタイトル争いには絡んでいないですし、言い方を悪くすれば消化試合でした。ただ、引き分け以上で相手の優勝が決まるという試合で、目の前で決められるのは阻止したかった。1点差でもいいから勝って、 その後の試合に優勝の行方を委ねるつもりで準備をして臨みました。 内容として、第1ピリオドは自分たちの試合ができたなという印象したが、第2ピリオドはボールを持たれて自分たちが押し込まれる展開になりました。リードされてから最後のパワープレーまでは僕たちが攻めてはいたものの、相手は精神的にもかなり余裕がある状態で試合を進めていて、リーグのチャンピオンの地力を見せつけられました。 リーグ戦は終わりましたが、この後まだ全日本選手権の関東大会があるので、チームとしてもう一段階ギアを上げて、頑張っていきたいです。 ──第1ピリオドで、2失点してからタイムアウトを取りました。珍しく厳しい口調で指示を送っていましたが、どんな話を? 揉めているように見えたかもしれませんが、演技です(笑)。 今日は朝イチの試合で動きが悪いなと感じていましたが、西宮もそれは同じでした。そこから自分たちのエラーで失点をしてしまったので、強めの喝を入れました。喧嘩するほど仲がいいとも言いますしね(笑)。 その後に得点が生まれたのは結果論ですが、そこから自分たちペースのゲームに変えられたのは事実です。スイッチが入った時の推進力、ゴールに向かっていく姿勢、球際で戦うところはこのチームの良さでもあり、日常のトレーニングから求め続けていることを選手が体現してくれました。 ──前からのプレスが効いていた印象でした。監督の見解と、ポイントを教えてください。 西宮は、ポゼッションやプレス回避がリーグで一番うまいチームだと認識しています。ただ、事前のスカウティングと、自分たちがどういう試合運びをするかを模索した時、とにかく前からプレスをかけて、相手陣内でゴールを奪って得点につなげることが必要だろうと考えていました。 予想の通り何度か簡単にプレス回避をされてしまい、自陣で数的不利を作られた場面もありました。それでもリスクを背負ってプレッシャーをかけ続けないと、最後まで流れを自分たちに引き寄せるのは難しいと思っていたので、ある程度やられることは受け入れながら、やり返すというマインドで第1ピリオドはうまくいきました。 ただ、徐々に相手もこちらの動きや強度に慣れてきたのと、第1ピリオドで走らされて体力が削られたことで、前に出ていけなくまってしまいました。点差には現れないところのそういった差が、今日の結果につながっていると捉えています。 ──初めて上位リーグ進出しましたが、浦安、神戸を破るなどファイナルシーズンは快進撃を見せました。手応えは? 僕の話をしてくれましたが、ここまで来れたのはキャプテンのおかげです! 勝俣:そこは「僕の力です!」じゃないんですか!? はい(笑)。 でも笑い事ではなく、「キャプテンがこの1年でどれくらい成長できるかが、チームの成長や結果につながってくる」と、勝俣にはシーズン初めから話をしてプレッシャーをかけていました。なので、この結果はキャプテンが頑張ったおかげだと、本当に思っています。 チーム全体に関しては、「勝利へのこだわり」をもう一つ高くもち、殻を破って踏み込んでいくことを意識してほしいなと、アプローチし続けてきました。 どんなに技術がうまくなったり体が強くなったりしても、最終的にはマインドの置き場所が変わらないと、このリーグでこれまでよりも高い結果を出すことはできません。なので、フットサルがうまくなるためだけではなく、自分たちは「勝つため」に練習をして、「勝つため」に試合を戦っているんだという話は、この1年で何度も話をしてきました。 そこに対して、選手たちは期待以上の力を見せてくれました。正直驚いているところもありますし、みなさんにもワクワクしてもらえるような結果を見せられたことは、非常に満足しています。 全日本選手権に関しては、関東大会から勝ち上がっていかなければいけないまた違った難しさがあります。それでも、言葉だけでなく本当に「優勝」を目指していけるチームになったなと、今は感じています。 それも、キャプテンが一番選手として成長してくれたからこそだと思うので、勝俣キャプテンのおかげです!