毎回カオス!『おっさんずラブ-リターンズ-』がシーズン1を超えてきてるかもしれない理由
ドラマとしては第3弾の『おっさんずラブ-リターンズ-』。正直、はじめはそこまで期待していませんでした。個人的にはドラマのシーズン2も映画もシーズン1を超えなかったし(2は牧いなかったし)、今回も過去作を上回ることがないだろうと思っていたのです。でも始まってみたら、その予想はいい意味で裏切られました。毎回面白すぎて、なんなら今回が一番好きかもしれません。『おっさんずラブ-リターンズ-』の魅力について、とことん語らせてください! 【動画】私たちはこれを待ってた…!『おっさんずラブ』続編でも健在、“牧”林遣都と“武蔵”吉田鋼太郎の嫁姑?バトルシーン(ほか動画4本)
「ハッピーエンドのその後」ではない「5年後の今」。既存要素と新要素の好バランス
海外赴任によっておあずけになっていた、3年半ぶりの新婚生活を送る春田(田中圭)と牧(林遣都)、迷走している武蔵(吉田鋼太郎)と武川(眞島秀和)、結婚したマロ(金子大地)と蝶子(大塚寧々)、シングルマザーになったちず(内田理央)、そして新キャラの和泉(井浦新)と菊之助(三浦翔平)。 盛り上がらないのでは? と思っていた理由のひとつは、ある程度結末がついたのにその後を描いても、蛇足になってしまう気がしたからです。でもシーズン1から5年後、登場人物それぞれの状況が変化した「今」が描かれていて新鮮さがありました。さらに前作を観ている前提があるからこそ楽しめる要素もあるし、新たな登場人物なども元々の物語を壊しすぎていなくてバランスよく、受け入れて楽しめました。 悩んだり、とんでもない行動に出たり、降りかかる出来事に翻弄されたりする登場人物たち。ときには切なくなり、ときにはツッコみ、ときには爆笑しながら濃すぎる1時間を楽しんでいます。
”ユニコーン家政夫”に転生した武蔵と隣人たちの正体
早期退職した武蔵は、「ばしゃうまクリーンサービス」というご時世的に印象が良くなさそうな名前の家事代行の会社に再就職し、最高位の”ユニコーン家政夫”・エリア統括部長として活躍していました。偶然とノリにより春牧の家でも働くことになり、危機感ゼロの春田は武蔵に言われて合鍵まで渡す始末。チョロすぎて心配です。いくら元上司とはいえ、自分のことを好きだった人を結婚した家庭に入れるのはちょっとよくないだろう。でもそんなこと気づかないのが春田なんです。 春田の部下・和泉とおむすび屋の店主・菊之助は、春牧の隣の家の住人でした。血まみれで倒れていたり、突然キスしてきたりと、和泉の行動に困惑する春田。和泉のロケットペンダントには(ロケットペンダントしてる人、最近だと呪術廻戦の東堂葵か和泉くらいだと思う)春田に瓜二つの男性の写真が。春田は和泉の死んだ恋人・秋斗にそっくりだったのです。 そんな韓国ドラマみたいな、オタクの妄想みたいな設定……個人的にはアリでした。しかも秋斗は春田とは真逆の生意気でワイルドなキャラ。回想シーンもたっぷりあって、思いがけず2パターンの田中圭を楽しめて得した気分になりました(違うか)。 ちなみにプロデューサーなど一部スタッフが同じ作品『あの時キスしておけば』では、井浦新と三浦翔平は元夫婦役(厳密に言うと夫婦は三浦と麻生久美子なのですが、麻生久美子と井浦新の中身が入れ替わってしまうため)。『あの時キスしておけば』以上に共通スタッフが多い『unknown』では、田中圭のわけありの父親が井浦、結婚相手の父親が吉田鋼太郎だったので、これらの作品と観比べるのもおすすめです。 そして、事件が起こるときの春田のリアクションが相変わらず最高。震え、頭を抱え、ときには白目までむく春田。ここまでやりきれるのは田中圭だけだと思います。アクシデントが多すぎる中の春田と牧のいちゃいちゃも癒やし。2人ともやたらモテるけど、やっぱり春牧しか勝たん。