チームの歴史を変えたい東洋大。慶大は防御で対抗。互いのラグビー観がぶつかる80分。
慶大は春の東洋大戦で3トライを奪った小野澤謙真が、今回の試合は怪我で欠場する。 その14番に入るのは4年生の廣瀬瞭は、関東大学ジュニア選手権の流経大戦(12月7日)で3トライをマークして好調、ディフェンスの強さに期待がかかる。
また、関東大学対抗戦Aの最終戦、日体大との先発メンバーから代わったポジションではCTBにバックスリーダーを務める今野椋平が戻った。周囲を前に出すゲーム運び、そして、スペースを見つけ、有効活用する能力が頼りになる3年生だ。
司令塔は帝京大戦以降、5試合連続で10番を背負ってきた1年生の和田健太郎が務める。柔らかな動きと左足からのキックが持ち味。経験を重ね、周囲の信頼も厚くなっている。 HOの中山大暉主将を中心に粘り強く戦うFWが供給するボールを有効に使ってスコアに結びつけたい。
春の大勝を「まったく参考にならない。東洋大は別のチームになっています」と言う青貫浩之監督は「ディフェンスを中心に戦い、そこからアタックする」イメージを持つ。 「前に出てブレイクダウンを優位に戦いたいですね」
「(攻撃力のある相手に)撃ち合いでは勝てない」と想定し、粘り強いディフェンスでロースコアの勝負に持ち込むつもりだ。 関東大学対抗戦での戦いを終えた後は、セットピースとディフェンスに注力して準備を進めてきた。その整備が勝利への第一歩とし、自分たちの強みを出して戦う。
この試合に勝った方は、翌週(12月21日/秩父宮ラグビー場)、3年連続大学日本一の帝京大と準々決勝を戦う。 2大会前に初めて全国大学選手権出場を果たした東洋大は、その時は初戦(3回戦)で壮大に敗れた。今年こそ初勝利をつかみたい気持ちがあふれている。
田村一博