チームの歴史を変えたい東洋大。慶大は防御で対抗。互いのラグビー観がぶつかる80分。
関東大学春季交流大会(Bグループ)では62-17。慶大が東洋大に大勝したのは5月12日だった。 その試合から7か月。全国大学選手権の3回戦で両校が戦う(12月14日、11時30分キックオフ/秩父宮ラグビー場)。
関東大学リーグ戦1部の2位チームとして春のリベンジを果たしたい東洋大と、関東大学対抗戦Aの4位として戦いに挑む慶大。 勝敗の天秤がどちらに傾くかは、攻撃力の高い東洋大を慶大がどう止めるのか、そこにかかっている。
東洋大は関東大学リーグ戦1部の初戦で大東大戦に敗れるスタートを切るも、その後は試合を重ねるごとに本来の力を出して戦った。 第6戦の立正大戦こそ3トライに抑えられて競り負けるも、他の試合では5トライ以上を奪って勝利。攻撃力の高さを見せつけた。
チームに勢いを与える存在は、FL森山海宇オスティンだ。力強いボールキャリーと激しいタックルでチームにモメンタムを与える。今季は全7試合に先発、フルタイムでのプレーとフル回転の働きで、全国大学選手権でも周囲を前に出すパフォーマンスを見せるだろう。
PR笠巻晴太主将が1番を背負い、まとめるFWはまとまりがよく、サイズで圧倒する選手もいれば、仕事人もいてバランスがいい。 今回の試合では、リーグ戦ではフロントローでプレーした前川嵩登が6番に入った(関東大学ジュニア選手権ではバックローでも出場)。チームにパッションを与えるプレーが持ち味だ。
昨年は全国大学選手権出場を逃したチームが今季上昇した理由のひとつに、SO天羽進亮の成長がある。 前年から10番を背負い続ける3年生は経験を積み重ね、周囲の選手と息の合ったプレーを見せる。また、前に出るタックルも、この人の持ち味。そのプレースタイルは気持ちの強い慶大相手でも、一歩も引かないだろう。
シーズンを通して組んできた1年生SH、生田旭と天羽のコンビネーションもいい。 強いランナーに加え、切れ味鋭いFB坂本琥珀のランプレーも相手にとっては脅威となるはずだ。 ベンチスタートだが、23番を背負う中山二千翔も好ランナー。攻撃力の高さを発揮し、自分たちに流れを持っていきたいところだ。