韓国大統領の拘束令状発布、現職初 弁護団は効力停止申し立てへ
[ソウル 31日 ロイター] - 韓国の高官犯罪捜査庁は31日、今月3日の戒厳令宣布を巡り内乱容疑で捜査している尹錫悦大統領の拘束令状をソウル西部地裁が発布したと明らかにした。 現地メディアによると、韓国で現職大統領に対する拘束令状が発付されるのは初めて。 尹氏は国会による弾劾訴追を受けて大統領の職務を停止されている。 高捜庁と警察の合同捜査本部は、尹氏に3回にわたり出頭を要請。3回目(29日)の要請にも尹氏が応じなかったことを受け、30日に尹氏の拘束令状を請求した。 拘束令状の有効期限は1月6日。拘束できるのは48時間で、捜査機関はその後逮捕状を請求するか釈放するかを決める必要がある。 聯合ニュースによると、地裁は尹氏が正当な理由なく出頭に応じない可能性が高く、尹氏が犯罪を犯したと疑う十分な理由があるため、令状を発行した。地裁はコメントを控えた。 尹氏の弁護団は、韓国の法律で高捜庁には拘束令状を請求する権限がないとし、令状は違法かつ無効だと指摘。令状の効力停止を求める仮処分を憲法裁判所に申し立てる予定だ述べた。 令状がいつ、どのように執行されるかは不透明だ。大統領警護庁は31日の声明で、適正手続きに従い令状を取り扱う意向を示した。 高捜庁によると、地裁は大統領公邸の捜索令状も発布した。 警察はこれまで、捜査の一環として大統領府の家宅捜索を試みたものの、大統領警護庁に阻止され庁舎内に入ることができなかった。 韓国与党「国民の力」の代表代行を務める権性東氏は、現職大統領を拘束しようとするのは不適切だと述べた。 最大野党「共に民主党」の議員は「令状執行と捜査のプロセスは非常に困難になる可能性がある」とし、捜査当局者らに直ちに令状を執行するよう求めた。