【40代、50代・更年期の基礎知識 】更年期のつらいホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)の原因と対策を婦人科医が解説!「症状例」と「起こりやすい人」のセルフチェックつき!
Q. 汗が止まらないので、においも心配。何か対策はないですか?
A. 更年期対策に作られた快適な下着がおすすめ。汗を止めるためのリストバンドなどにも注目を 「ここ数年でフェムテックが急激に進歩しています。フェムテックというとフェムケア関連商品に目がいきがちですが、更年期のホットフラッシュや滝汗対策も例外ではなく、本当に機能的なアイテムが増えています。見た目もスマートな冷却グッズや、汗を吸収しながらサラッと感を保ち、においも抑えてくれる下着類など。汗に悩む人は一度利用してみるのもよいと思います。 また、日本にはまだ上陸していないのですが、ウェアラブルデバイスリストバンドというものも現れました。本人がホットフラッシュの症状を自覚する前にセンサーが症状をキャッチし、体の冷却反応を引き出すという未来型のフェムテックです。日本でもそろそろデビューするのでは?」
《おすすめのフェムテックアイテム》 [左]ホットフラッシュや更年期の睡眠を快適にするために開発されたインナー。急な汗を吸収、汗のあとの冷えた肌を温め、汗のにおいを抑える効果も。Become ショートスリーブTシャツ/フュージョンワークス [中]ピンポイントに風を送ることが可能なヘッドフォン型ファン。スパイスオブライフ ダブルファンハンズフリー ヨガシロッコ/スパイス [右]心地よい体感温度(15~25℃)が一定に長もち。手に持って使う冷却保冷剤。アイスバッテリー fresh/まつうら工業
Q. 冷え症ではなかったのに、足や腰、お尻まで異常に冷えます。温める以外に対策はない?
A. 筋肉量が減ったせいかもしれません。運動習慣も見直しましょう 「更年期に入ってから冷え症になる人はとても多いもの。血行が悪いことに加え、筋肉量が減ってきたことも関係しています。筋肉が少なければ熱の産生量も減るため、冷えてしまうのです。 何度も言いますが、筋肉を増やすことはとても大切。熱を生み出しやすい体を目指しましょう。激しい筋トレではなく、スクワットで脚の筋肉を増やすとか、ピラティス、ヨガなどの続けやすい運動をおすすめします。 それも難しければ、歩くことやストレッチでもやらないよりはいいはずです。また、冷えが続くようなら甲状腺機能低下症なども疑い、念のため婦人科で検査してもらいましょう」 更年期が来たら、いつかはやってくる閉経。次回は、「閉経したらセックスに影響がありますか?」といった人には聞きにくい素朴な質問にこたえてもらう。 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) 撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 構成・原文/蓮見則子