東京Vでの15歳デビューから5年目…YS横浜での1年半で研鑽続けた橋本陸斗、新境地WBの収穫と数字という課題
[12.7 J3・JFL入れ替え戦第2戦 YS横浜 0-2 高知ユナイテッド ニッパツ] 【写真】乃木坂46五百城茉央が優勝もたらす“勝利の女神”に(全20枚) 成長の手応えと、悔しさが残るシーズンとなった。MF橋本陸斗は東京ヴェルディからY.S.C.C.横浜へのレンタル2年目を終了。チームは来シーズンJFLへ。試合後には「やっぱり勝ち切らなきゃいけなかった。俺らのホームでふがいない、本当に情けない結果だった」と思いをにじませた。 J3リーグ19位でJFL・2位の高知ユナイテッドとの入れ替え戦に臨んだ。1日の第1戦(△1-1)では先制点をアシストした橋本は、引き続き第2戦も先発入り。チームは前半7分に先制を許してしまうが、「失点した後は落ち込んでもしょうがないので、みんなで集まって切り替えていくよという話はした」(橋本)。左WBとして、橋本は何度も決定機を演出。しかし、同点に追いつくことはできない。 時間だけが過ぎていくなかで、橋本は後半12分に大きなチャンスを作る。中盤でMF奥村晃司がボールを持った瞬間に、PA左に向かって疾走。スルーパスを受けてクロスを上げるが、味方には合わなかった。「選手たち全員、気持ちの部分ではすべて出し切ったと思う」。しかし、攻め気の裏を突かれて後半終了間際に2失点目。0-2で敗れたYS横浜はJ3リーグの会員資格を失い、JFLで戦うことになった。 「自分のところでのクロスの精度や、点が入らないというところは、個人の技術の部分になってくる。そこは足りていなかった。アウェーで1点は決めたけど、僕らはJリーグのチームなので、もっと点差をつけて3-0、2-0くらいの勢いで持っていかなきゃいけなかった。高知さんに行けるぞと思わせてしまったことで難しい戦いになった」 橋本は中学3年生でプロの舞台に上がった。21シーズンのJ2開幕戦・愛媛戦(○3-0)で途中出場し、15歳10か月26日でJリーグ史上3番目、J2リーグでは史上最年少のデビューを飾った。だが、J1リーグを目指す東京Vのなかで出場機会は得られず。23年夏にYS横浜へ育成型の期限付き移籍。24シーズンも引き続きJ3リーグで戦い、27試合に出場した。 左右のWBとして、収穫を得られたシーズンだった。「相手を見て判断し、プレーの選択をするという部分では大きな進歩になった」。それは持ち味の攻撃だけでなく、守備面でも向上。橋本は「ボールをつなぐ部分、ラインコントロール、プレス強度の部分での成長も大きかった」と強調する。 その一方で、得点はJ3リーグ最終節・ギラヴァンツ北九州戦(●2-3)の1得点のみ。橋本自身も「今年1ゴールしか決められていないことは本当に物足りない。まったく自分の求めていた結果ではない」と下を向く。「でもこれが現実。自分の実力なので受け入れて、プレーの分析をしてもっと向上させていかなきゃいけない」と気持ちを切り替えていた。 移籍元の東京VはJ1リーグ残留を決め、6位でシーズンを終えた。橋本の来季去就は現時点では未定というが、東京Vに復帰してもYS横浜で培ったWBの経験は生きるだろう。「(東京Vが)5バックにしてから、うちも似た布陣だったので同ポジションの選手は参考にしながら見ていた」。次の舞台はどこであれ、今季の成長と悔しさを来季に示すつもりだ。
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