韓国、次期大統領候補が掲げる不穏な「対日ポリシー」、尹大統領の弾劾決議案に記された気がかりな一文
■尹政権の政策を一切踏襲しない可能性 韓国政治をよく観察している人たちは、これが、尹大統領が去った後、李氏が大統領になった場合、進歩的な外交政策がどのようになるかを示すシグナルだと読んでいる。 「これで野党は、外交政策を含むすべての尹政策を一掃する動機がさらに強まった」と、檀国大学のベンジャミン・エンゲル客員教授は語る。 「正常な民主的移行が行われていれば、尹大統領の外交政策が成し遂げたことの是非や、残すべきもの、修正すべきものについて、多少なりとも健全な議論が行われたかもしれない。今回は、そうはならないだろう」
弾劾決議案が明らかにしているように、民主党の最重要課題のトップは日本との関係である。民主党は、韓国が戦時中の強制労働者問題などで日本に譲歩を繰り返し、見返りを得られなかったとして、尹大統領の対日政策を厳しく批判してきた。日韓関係の改善は国民的な支持はあるものの、今回の致命的な失策によって覆される可能性もある。 「野党が政権を握れば、現在の韓日関係は、韓米関係同様、非常に荒れたものになるだろう」と、現在も日本政策に熱心な元韓国政府高官は予測する。特に、日韓米三国間の安全保障協力の進展は、「もはや成り立たなくなるだろう」。
韓国での政権交代の可能性は、石破茂首相に難題を突きつける。石破首相は、国交樹立60周年記念事業の一環として、1月の訪韓に向けて準備を進めていた。石破首相自身、韓国との緊密な関係を提唱しており、日本の戦時下と植民地支配の過去の問題に直面することに積極的である。 少なくとも、この努力は数カ月の政治的不確実性に対処しなければならないだろう。最悪の場合、進歩的な政権が誕生し、韓日関係の改善を遅らせようとするかもしれない。
アメリカでは、バイデン政権によるより強固な日米韓関係の構築に関心がないドナルド・トランプ政権が復活することも日韓関係に水を差しかねない。 ■石破政権を襲う「パーフェクトストーム」 「日本政府は今、“パーフェクトストーム(破壊的な事態)”に備えなければならない」と、コンサルティング会社ジャパンフォーサイトのトビアス・ハリス代表は言う。 「そして日本は、アメリカの同盟関係に懐疑的なだけでなく、多国間交渉よりも二国間交渉を好み、三国間協力の強化にほとんど関心を示さないアメリカ大統領に直面することになる」