がんばって飲む人ほど健康状態がアウトな絶望的事実…「サプリメントを飲まないほうがいい」4つの理由
世の中のサプリメントには開発者の目線から見ると、首をかしげたくなるくらい必要以上に添加物を使っているものがあります。場合によっては粒のカサを増やすだけの目的で、添加物を使っていると見られる製品もあり、時には9割以上が添加物でできているサプリメントもあるくらいです。 添加物を複数使用するとリスクも伴います。たとえば、清涼飲料水などに含まれるビタミンCと保存料の安息香酸。この2つが反応すると人体にとって有害な物質であるベンゼンが発生する可能性があると指摘されています。このように組み合わせや量によっては有害性が疑われるものもあるのです。 ■重大な問題が潜んでいるプロテインとグルコサミン サプリメントに含まれる摂取を避けたいものには人工甘味料もあります。よく人工甘味料が使われているのは、ドリンクタイプのサプリメントや健康食品です。ドリンクにするためには、どうしても味を調える必要があり、腐らせない工夫もしないといけません。そこで人工甘味料や香料、保存料が使われやすいのです。 人工甘味料には、アスパルテーム、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなどがあります。製造者側にとってはコストを削減してくれる便利な存在ですが、使う側にとっては体への悪影響が心配です。 人工甘味料がよく使われているサプリメントに、プロテインがあります。タンパク質を補うためにプロテインを飲んでいる人は多いと思いますが、人工甘味料が入っているものを飲んでいては本末転倒ではないでしょうか。 関節痛を和らげるサプリメントとして人気の「グルコサミン」にも、ある重大な問題が潜んでいます。知人のドクターにこんな話を聞きました。グルコサミンを飲んでいる患者の様子を見ていると、半年から1年経って初めて病院を受診したときにはすでに「手遅れ」になってしまっているケースが後を絶たないというのです。 このようにサプリメントには、異物の混入、添加物や人工甘味料の過剰摂取、受診機会の喪失といったリスクがあります。 よく、「サプリメントはどのくらいの期間飲めばいいのか?」という質問をいただきますが、悩みの種となっている症状が改善され、少しだけ余裕を持たせたら、徐々に摂取をやめたほうがよいでしょう。不調もないのに「健康のために」という曖昧な理由で摂取を続けていると、前述したようなリスクが蓄積していってしまうからです。 ※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年12月13日号)の一部を再編集したものです。 ---------- 田村 忠司(たむら・ただし) ヘルシーパス代表取締役社長 2006年、医師、薬剤師からの要請に応え、医療機関専用サプリメントの専門メーカーである同社を設立。近著に『【新版】サプリメントの正体』(東洋経済新報社)がある。 ----------
ヘルシーパス代表取締役社長 田村 忠司 図版作成=大橋昭一