野球に打ち込める「今」に喜び センバツ選手宣誓 青森山田主将
「今ありて 未来も扉を開く」。開会式で選手宣誓した青森山田の橋場公祐主将(3年)は、大会創設100年の節目を迎えたセンバツの大会歌を冒頭に引用し、次の100年に向けての決意を語った。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 「人生に一度あるかないか」の大役。宣誓の内容を共に考えた脇野浩平部長と毎夕食後に練習して備えた大舞台を終え「100点付けられる」とほっとした表情を見せた。 宣誓では「被災者の方々に全力で野球をしている姿を届けたい」と元日に起きた能登半島地震の被災者にも思いを寄せ、野球漬けの日々を共に過ごす「唯一無二の仲間」と臨む大会第4日の初戦に向け「春の一勝をなんとしても勝ち取る」と意気込んだ。【江沢雄志、小坂春乃】 ◇選手宣誓全文 宣誓 今ありて 未来も扉を開く 今ありて 時代も連なり始める 1924年、第1回全国選抜中等学校野球大会として春の選抜大会が開催されました。あの日から100年。われわれ高校球児の甲子園大会に対する夢や憧れは、長年の時を超えても変わることなく今もなお夢舞台であり続けています。夢にまで見たここ甲子園球場に立ち、これまでの先輩方が築きあげられた歴史と伝統の重さを身に染みて感じています。同時に私たちは唯一無二の仲間とともに大好きな野球に打ち込める「今」に喜びを嚙(か)み締めています。 今年の元日に能登半島沖で大きな地震が発生しました。家族団欒(だんらん)と過ごしている中での激しい揺れに私たちは恐怖と深い悲しみに襲われました。被災地では現在も苦しみと困難の多い生活を余儀なくされています。私たちにできることは、目の前の白球をがむしゃらに追い続けること。そして、全力で野球を楽しむことです。 今日から始まる選抜大会を次の100年へ向けた新たな一歩とするべく、全身全霊を懸けて戦い抜くことを誓います。 今日までの100年を今日からの100年へ。