子どもの性器で気になることがある場合、受診するのは小児科?皮膚科?それとも?【ママ泌尿器科医】
「一刻も早く専門的な処置が必要な病気」は、専門医へ。日ごろから調べておこう
泌尿器でいうと、「おちんちんの先が赤い」という症状であれば皮膚科でも小児科でも泌尿器科でも構いません。 一般的な治療で治りが悪い場合や繰り返すような場合、専門的な診察や処置が必要だと判断された場合には別の科や病院を紹介してもらえるはずです。 一方で、嵌頓包茎(かんとんほうけい/亀頭の先端が浮腫んでいる、包皮をむいたら戻らなくなった)や陰嚢の異常については泌尿器科の受診をおすすめします。 とくに発症から一刻も早く処置を受ける必要がある嵌頓包茎や精巣捻転に関しては、小児科ではなく泌尿器科への受診が必要です。 これらの疾患は手術が必要になることもあるため、居住エリアで常勤の泌尿器科医がいる総合病院(泌尿器科の手術ができる病院)をチェックしておくと、いざというときにスムーズです。総合病院のホームページを見れば、泌尿器科があるか、医師が常勤か否かがある程度わかります。 ほかには、陰嚢のけが(ぶつけた、蹴られた)も泌尿器科のほうがいいと考えます。精巣が傷ついている場合には早期の手術が必要だからです。 このような「一刻も早く専門的な処置が必要な病気」以外であれば、泌尿器科系のトラブルも基本的にはかかりつけ小児科医にまずは相談で大丈夫です。
小児科で泌尿器領域に精通している、または泌尿器科で小児領域に精通している「小児泌尿器科医」
さて、子どもの泌尿器科(性器や排尿関連の病気)に最も詳しい存在として「小児泌尿器科」という科があります。小児科医の中で泌尿器科領域に精通している人も、泌尿器科医の中で小児領域に精通している人もいます。 ただ、小児泌尿器科の専門医は非常に少ないため、どこの地域・病院にもいるわけではありません。 「日本小児泌尿器科学会」のHPに都道府県別で小児泌尿器科の専門医を調べられるページがあるので、もしかかりつけの小児科医や近くの泌尿器科医の診療内容で納得のいかないことがあれば、この小児泌尿器科医を頼ってみるのも1つの選択肢です。 「そもそも何科?」に悩んだときは、小児科のオンライン診療も活用できます。オンラインなので直接的な診察や処置はできませんが、症状や困りごとを小児科医に相談することで、次に受診すべき科についてアドバイスをもらうことが可能です。 スマホでさまざまな医療情報を収集できる現代ですが、調べるのにも時間とエネルギーが必要です。自力で「何科に行く?」の答えを見つけようと頑張りすぎず、専門家を頼ってくださいね。 文・監修/岡田百合香先生 構成/たまひよONLINE編集部 子どもの体調がよくなかったり、体で気になることがあったりする際には、的確な受診も大切なようです。子どもの総合医である「かかりつけ医」を主にしながら、地域の診療科についても調べておきましょう。 ●記事の内容は2024年10月の情報で、現在と異なる場合があります。 監修者 岡田百合香 先生 PROFILE:泌尿器科医/産業医。日本泌尿器科学会専門医。愛知県在住。総合病院の泌尿器科に勤務する傍ら、乳幼児の保護者を対象にした「おちんちん講座」や、思春期の学生向けの性に関する授業などを行っている。現在6才男児、2才女児の子育て中。著書『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』(誠文堂新光社)が発売中!
たまひよ ONLINE編集部