【北欧デザイン×スイス製】スウェーデンの本格時計、Tusenö【実機レビュー】
【Wearability:装着感について】
時計は直径が39mm、ラグからラグの上下幅が約47mm、厚さ約10.5mm。重さが150gという仕上がりだ。近年のダウンサイジングのトレンドともリンクするサイズ感となっており、デイリーユースで使うには最適なサイズだ。39mm以下では小さすぎて文字盤のデザインや質感が生きてこないし、39mmを超えてくると重厚でソリッドなベゼルやケースが過度に強調されてしまったことだろう。肝心の装着感だが、率直に言ってとても快適だ。筆者は手首周りのサイズが約17mmなのだが、ラグの上下が余裕をもって手首の内側に納まっており、150gの重さも適度な重量感を感じられて心地よい。 装着感を高めているポイントとして、ぜひ注目しておきたいのが時計本体とブレスレットを繋いでいる弓カンの作りだ。ラグの先端よもり内側にブレスレットが設置される設計になっているため、ブレスレットの付け根の可動域が広く、手首とブレスレットの隙間を詰めて装着することができるのだ。ラグと手首の間に隙間ができてしまうと装着時の安定感がなくなり、見た目も悪くなるが、このブレスレットにそうした心配はいらないだろう。また、弓カンのデザインをラグのフォルムとしっかり連動させている点も好印象を感じるポイントだ。ウィンドシーカーはケース、ブレスレットが直線を生かした造形に仕上げられているのも魅力だが、弓カンとラグのデザインに一体感をもたせているので、見た目のバランスがとても良い。手の届く価格ながら、完成度をしっかりとつきつめたデザインであることがうかがえるポイントだ。
ブレスレットは安価な時計に見られる凸型のコマを使用した擬似的な3連ではなく、削り出しのコマを三つ組み合わせた本格仕様。表面の加工はケースと同じくヘアライン仕上げをベースにしており、中央のコマは上下に面取りを施して鏡面に仕上げている。左右のコマも両サイドを面取りしており、この面取り部分とサイドが鏡面に仕上げとなっている。肌に直接触れる裏面にも同様の面取りを施しているが、汚れを目立ちにくくして肌触りを良くするため、前面がヘアライン仕上げとなっている。ブレスレットはやや遊びが多い印象も感じるが、その反面でコマの可動域が大きいため手首にしっくりとフィットしてくれる。なお、メタルブレスは、ケースと接合する部分がレバー式になっているため、工具を使わずに着脱が可能だ。