覚悟持って国難に当たる、経済政策を最優先課題-上川外相が出馬表明
(ブルームバーグ): 上川陽子外相は11日、自民党総裁選に立候補すると表明した。経済財政政策を優先課題の一つに掲げるとともに、岸田文雄政権の外交政策の継承を強調した。
上川氏は「覚悟を持って国難にあたり、日本の新しい景色をつくっていく」と発言。経済政策の柱として、物価対策と賃金アップ、成長産業の育成、経済・財政の強じん化の三項目を挙げた。外交防衛政策では、現政権の外交の進化のほか、実効性ある防衛力の強化、経済安全保障リスクへの対応などを盛り込んだ。
総裁選への立候補表明は9人目。上川氏は立候補に必要な推薦人20人の確保に時間がかかり、告示前日の出馬表明となった。女性では高市早苗経済安全保障担当相に続き、2人目。前回2021年に立候補した野田聖子元総務相は11日夕に記者会見し、出馬断念を表明した。小泉進次郎元環境相の推薦人になるという。小泉氏が1年以内に選択的夫婦別姓導入問題に決着をつける考えを示したことを理由に挙げた。
自民党総裁選は12日に告示、27日に投開票が行われる。衆参両院議長らを除く党所属の国会議員は8月20日時点で367人。人数が変わらなければ、党員・党友票も同じ367票に換算した計734票を巡る争いになる。立候補者は1972年以降で最多だった5人を上回ることが確実で、上川氏の参戦で国会議員票が分散して決選投票に持ち込まれる可能性がさらに高まっている。
NHKが6日から3日間行った世論調査によると、「次の自民党総裁に誰がふさわしいと思うか」との問いに、石破茂元幹事長を挙げた人が28%と最も多く、小泉氏が23%と2位だった。高市氏が9%、河野太郎デジタル相が6%で続き、上川氏は4%で小林鷹之前経済安全保障担当相と同率だった。
上川氏は民間のシンクタンク研究員などを経て2000年に初当選。法相や少子化担当相などを歴任し、23年9月から外相を務めている。
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Yuki Hagiwara, Yui Hasebe