【現役ドラフト】中日はサイド右腕・伊藤茉央を獲得 ロッテ移籍の石垣雅海には9年目のブレークを願う
プロ野球の現役ドラフトが12月9日に行われ、中日は楽天のサイド右腕・伊藤茉央を獲得。内野手の石垣雅海がロッテに移った。 ■中日はサイド右腕不在、伊藤が穴を埋める 福島生まれの伊藤は喜多方高ー東京農業大北海道オホーツクを経て、2022年ドラフト4位で楽天に入団。2000年生まれのいわゆる「ミレニアム世代」で、中日だと根尾昂や村松開人、仲地礼亜と同学年だ。 サイドから繰り出す高速シンカーが武器の右腕で、ルーキーイヤーから開幕1軍入り。1か月強で13試合登板、1勝3ホールドを挙げる活躍を見せ、早速戦力となった。その後は抹消と再登録を繰り返し、シーズン終了までに25試合登板。防御率3.27とまずまずの1年を過ごした。 2年目の今季はオープン戦まで1軍で過ごすも、開幕は2軍スタートに。シーズン中も波に乗り切れず、6試合登板で防御率7.94に終わった。これまでの2年間で通算31試合登板、投球回を下回る27回2/3から見えるように、ショートイニングで力を発揮してきた。 現状の中日はサイド右腕が不在。その枠を埋めるために伊藤が指名されたのは想像に難くない。セ・リーグには岡本和真(巨人)やタイラー・オースティン(DeNA)など、右の強打者が数多くいる。彼らを薙ぎ倒して、道を切り開いていきたい。 ■豪快スイング&内野ユーティリティの石垣、パで開花なるか 高卒8年目の石垣は、酒田南高から2016年ドラフト3位で中日に入団。1998年生まれで、ロッテだと種市篤暉や鈴木昭汰、和田康士朗らと同学年だ。 豪快なスイングが持ち味の右打者で、内野の全ポジションを守れるユーティリティ性も魅力。2年目を除き、毎年1軍の試合に出場していることからも、実力の高さがうかがえるだろう。 脚光を浴びたのが、準地元・青森で行われた2018年のフレッシュオールスター。石垣は「はるか夢球場(弘前市運動公園野球場)」のバックスクリーンを直撃するアーチを架け、見事MVPを獲得した。その後も2軍で打率3割超、10本塁打近くをマークする年が続いた。 ただ、1軍に上がると打撃に確実性を欠いて、チャンスを逃し続けた。キャリアハイは2022年、50試合出場で3本塁打をマーク。この時も打率は1割台(.162)だった。 事前報道を見る限り、石垣は多くのメディアで現役ドラフト候補に挙がっていた。それは選手として魅力があるからで、「環境を変えれば化ける」と目されていたからに他ならない。プロ9年目を迎える来季、幕張の地でブレークを果たす石垣の姿を見たいし、それを願っている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]