「ポケモンGO」ブーム 、子どもの「スマホ禁止宣言」を出した町は今
6月20日、栃木県壬生町が発表したある宣言が注目を浴びた。小中学生にスマートフォンや携帯電話を持たせない、LINEなどのSNSは使わせない――など5項目からなる「みぶっ子スマホ・ケータイ宣言」だ。スマホの使い過ぎやSNSは、子どもが事件に巻き込まれたり、いじめや仲間はずれを生み出したりする要因になり、成績の低下や不登校も招きかねない、との理由からだ。家庭の都合で、やむなくスマホや携帯電話を持たせる場合でも、小学生は午後8時、中学生は同9時には使うのをやめて、親に預けるように呼び掛けている。 その約1カ月後、この「スマホ禁止」宣言を揺るがせるような事態が起きた。世界中でブームを巻き起こしている「ポケモンGO」が、ついに日本でも公開されたのだ。Android Policeによれば8月8日の段階で、全世界でのダウンロード数はAndroid端末用のGoogleストアだけで1億を超えたとされる空前のブーム。子どもたちが興味を持つのはごく自然なことだ。しかも、小中学校は夏休みというタイミング。子どもたちのスマホ禁止を宣言した町はどうなっているのだろうか。
ポケモンGOもどこ吹く風?
「(『ポケモンGO』の流行後も)子どもたちからスマートフォンを使いたいという声はあがっていません」。取材に対し、壬生町生涯学習課の担当者はこう語った。 「ポケモンGO」のブームをめぐっては、夢中になるあまり交通事故などのトラブルに遭う例も報告されている。しかし、同じ担当者によると「この町では、子どもたちが(ポケモンを探して)夜に町を徘徊するようなことも起きていません」という。
なぜ壬生町で「小中学生のスマホ禁止」宣言が出されることになったのか。町教委は、各小中学校で取ったアンケートの結果にあると説明する。このアンケートでは、自分用のスマホを持っているか、スマホの使用時間、どうしたらスマホの使用による寝不足や学習時間の不足を防げるか――などを尋ねたという。