「ポケモンGO」ブーム 、子どもの「スマホ禁止宣言」を出した町は今
スマホやLINEの「全面禁止」から、「夜は親に預ける」ルールに
生涯学習課の担当者は「小学生の67%が『夜8時以降は親に携帯を預けたほうが良い』、中学生の88%が『夜9時以降は親に携帯を預けたほうが良い』と答えました。この結果を受けて今回の宣言を出すことになったのです」と語る。 しかし、「スマホ禁止」宣言は今年6月に突然浮上したものではない。実は宣言が発表される1年前の2015年6月、保護者に対して示された「壬生町児童生徒健全育成アピール」には、スマホや携帯電話を持たないようにする、LINEやSNSを使わないようにする、との項目がすでに存在していた。 担当者によれば、「健全育成アピールには、『(スマホや携帯電話を)持たないようにする』ということだけが書かれていたのですが、それでは、実情に合っていないという声が保護者からあがり、夜になったら預ける、という項目を今回(の宣言には)加えています」という。 一方で、将来を担う子どもたちにとって、IT教育や情報をどう受発信するかを学ぶ機会は重要だ。町教委側も、子どもたちが将来スマホや携帯電話を使うようになることはわかっていると説明する。「小中学生向けにタブレットやインターネットの使い方に関する講習会を開いています」(担当者)という。
「児童・生徒の危険な行動にブレーキ」
こうして出された「スマホ禁止」宣言。子どもたちの生活や学習態度への効果について、町教委は「1カ月で急に出てくるものではない。今後の経過を見て、しっかり検証していきたい」と慎重に見極める方針だ。ただ、「ポケモンGO」をめぐるトラブル防止については「早くも県内や全国でトラブルが起きている。このゲームのために規制をしたわけではないが、児童・生徒の危険な行動にブレーキがかかればと思う」と期待を示す。
全国に先駆けて、「小中学生の夜間スマートフォン禁止」政策を行った愛知県刈谷市。2014年から小中学校長とPTA会長が中心になり、(1)必要がなければスマホは持たせない(2)機能制限(フィルタリングサービス)を利用するなど親子で約束を結ぶ(3)午後9時以降は保護者が預かる――というルールを呼び掛けている。