老齢年金受給世帯の約6割が「年金だけで100%生活できていない」現シニア世代《70歳代》の「年金額・生活費・貯蓄額」はどのくらい?
12月13日(金)は今年最後の公的年金支給日です。年金受給者にはこの日に、10月分、11月分の2カ月分の年金が支給されます。 ◆【グラフで見る】老齢年金世代の「年金額・生活費・貯蓄額」、平均いくら? これから迎える年末年始に、老後に向けたマネープランを考えたり見直したりする方もいるでしょう。 本記事では、現シニア世代の「年金額・生活費・貯蓄額」といったお金に関するデータをご紹介します。老後対策の参考にご確認ください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
老齢年金受給世帯の約6割が「年金だけで100%生活できていない」
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している高齢者世帯は41.7%となりました。 このことから、老齢年金を受給している世帯の約6割は「年金のみで生活できていない」ことがわかります。 では、現在のシニア世代は月々どれくらいの年金収入を得ているのでしょうか。 次章では、厚生年金と国民年金の平均受給額について詳しく確認していきます。
【現シニアの年金事情】厚生年金と国民年金は平均月額はいくら?
ここからは、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、厚生年金と国民年金の平均受給額を確認します。 年金は通常、2カ月分が一度に支給されますが、今回は月額で見ていきます。 ●【シニア全体】厚生年金の平均受給額 ・〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円 ・〈男性〉平均受給額(月額):16万3875円 ・〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円 ※国民年金部分を含む ●【70歳代に限定】厚生年金の平均受給額 ・70歳:厚生年金14万1350円 ・71歳:厚生年金14万212円 ・72歳:厚生年金14万2013円 ・73歳:厚生年金14万5203円 ・74歳:厚生年金14万4865円 ・75歳:厚生年金14万4523円 ・76歳:厚生年金14万4407円 ・77歳:厚生年金14万6518円 ・78歳:厚生年金14万7166円 ・79歳:厚生年金14万8877円 全体の平均年金受給額は14万3973円で、70歳代ではこの平均を上回る世帯が多いことがわかります。 ただし、厚生年金は個人差が大きく生じやすいため、その点には留意する必要があります。 ●【全体】国民年金の平均受給額 続いて国民年金も、厚生労働省年金局の同資料より確認します。 ・〈全体〉平均受給額(月額):5万6316円 ・〈男性〉平均受給額(月額):5万8798円 ・〈女性〉平均受給額(月額):5万4426円 ●【70歳代に限定】国民年金の平均受給額 ・70歳:国民年金5万7320円 ・71歳:国民年金5万7294円 ・72歳:国民年金5万7092円 ・73歳:国民年金5万6945円 ・74歳:国民年金5万6852円 ・75歳:国民年金5万6659円 ・76歳:国民年金5万6453円 ・77歳:国民年金5万6017円 ・78歳:国民年金5万5981円 ・79歳:国民年金5万5652円 厚生年金・国民年金の平均受給額を基にすると、平均的な夫婦2人分の年金収入は次のようにまとめられます。 ・夫:厚生年金&妻:厚生年金=月額約27万円 ・夫:厚生年金&妻:国民年金=月額約22万円 ・夫:国民年金&妻:厚生年金=月額約16万円 ・夫:国民年金&妻:国民年金=月額約11万円 現役時代に夫婦が共に厚生年金に加入し、標準的な年金を受け取ることができた場合、夫婦の月々の年金収入は約27万円になります。 しかし、ここから税金や社会保険料が差し引かれるため、天引きされることを考慮すると、必ずしも十分な額とは言えないかもしれません。 このことからも、年金だけで100%生活できる高齢者世帯は多くないことがわかります。 次章では、老後の生活費がどのくらいかについて、見ていきます。