【ソフトバンク】ドラ1村上泰斗「思い出も大事だけど…」 入寮時の〝取捨選択〟で見せたプロ意識
その目は前だけを見据えていた──。ソフトバンクにドラフト1位で入団した村上泰斗投手(17=神戸弘陵高)が5日、福岡県筑後市内の「若鷹寮」に入った。 4日に福岡入りし、家族と屋台での食事を楽しんだという村上。名物の焼きラーメンを初めて食べ「すごくおいしかった」と目を輝かせた。 高校時代から寮生活を経験しているため「多少の慣れはある」とは言うがプロの舞台はまた別物。「緊張もありますけど楽しみな気持ちが強いです」と現在の心境を語り、新たな出発に心を躍らせた。 寮に持参するものは人によって様々だ。選手の個性が出る場でもあるが、村上が持ち込んだのはオーダーメードの枕だった。プロに入るにあたり初めて作ってもらったという4万円の高価な枕を手にした右腕は「疲労回復っていう部分が睡眠で一番大切だと思う。高校の時から重点的にやってきたのでこれからも大切にしていきたい」と休息にも抜かりない姿勢を見せた。 さらに荷物の取捨選択にも〝らしさ〟が表れた。持ち込んだのは「これからの自分に必要なもの」と最低限にとどめ、思い出の品などは実家に置いてきたという。高校野球を引退した後も11月末まで高校の寮にとどまり、トレーニングを積んできた意識の高さを持つ右腕は「必要最低限以外の物は置いてきて、遊ぶ物もなしにしようと思っていた」と語り、「思い出も大事なんですけど、自分はこの先を大切にしたい。(思い出に)浸るよりもこの先頑張って、もう一回応援してもらえるように」とプロとしてこれからの未来のみを見据えた。 「フィジカル面だったり体の細さが一番足りない。年末年始もそうですけど、体を大きくするというのはこれまでやってきたこと。いいスタートが切れるように」と意気込んだ17歳。全てにおいてスキルアップ、そしてルーキーイヤーでの一軍登板を目標に掲げる右腕のプロ野球生活がついに始まる。
松岡直生