「逃げてもいい。でも高校を辞めても理想の日常は来ない」紺野ぶるまが語る高校中退 #今つらいあなたへ
どんなお題でもすべて下ネタで解く謎かけを得意とするお笑い芸人、紺野ぶるまさん。「R-1ぐらんぷり」では2年連続、「女芸人 No.1 決定戦 THE W」では3年連続で決勝進出するなど活躍中。今でこそ“高校中退”をネタに「アメトーーク!」や「しくじり先生 俺みたいになるな!!」に出演していますが、その過程には多くの葛藤や家族との衝突があったといいます。“腐ったみかん”と言われ高校を中退した紺野さんは、「中退しても理想の日常は来ない」「死んだような毎日が続いた」と振り返ります。お笑い芸人となりコンプレックスをプラスに転換できるまでの失敗と後悔について聞きました。(取材:たかまつなな/笑下村塾/Yahoo!ニュース Voice)
サボりや反発がカッコいいと思っていた
――中学時代までは優等生だったとのことですが、高校時代にギャルになったきっかけは? 高校生でギャルになったのは、中学時代にスポーツ少女だった反動かもしれないですね。私が私立の女子校に通っていた当時、ギャル雑誌『egg』が空前のブームになって、“ガングロ”や“ヤマンバ”にすごく憧れたんです。 あと、高校の校則が理解できなかった。当時、自分がこうなりたいとか大人だと思ってる要素を全部縛り付けるような校則だったから、反発したくなっちゃったんですね。スカートを長くするのもダサすぎるし、髪の毛も黒より明るい色のほうがあか抜けて絶対にかわいい、って思ってた。先生に「なんでダメなんですか?」って聞いても「校則だから」って。先生もめっちゃ嫌いでした。 小学生の時から勉強もすごく苦手で。小学生の時って残酷で、勉強できない子って馬鹿にされるんですよね。私はどんなに勉強しても算数は18点しか取れなくて。男子がそれを見て腹抱えて笑うのを、耳を真っ赤にして机に座ってグッと耐えるしかなかった。勉強ができないことがずっと恥ずかしかった。 あと、椅子に座っているのもしんどくて。座っていると、お股のあたりがワナワナしてきて、急にビクンとなる衝動とか、ワーって急に言いたくなっちゃったりする衝動が、何十分かに一回来る。それをしたらみんなに変な目で見られるっていうのが分かるから必死で抑えるんだけど、それもまたつらくて。 高校生になった時に、それまで抑えていたものがパッカーンって開いちゃった。自分のことを誰も知らない環境だから、周りの目も気にならなくなって、授業を抜け出してトイレに隠れたり、屋上で一人でバスケしてみたり。もしくは授業中にずっと寝てました。深夜徘徊(はいかい)していて、とにかく眠かったんです。プレイボーイのスウェットを着て、仲間と一緒にコンビニの前にたまったり、自転車かっ飛ばしてドン・キホーテに行ったりしてたから。 今思うとすごいダサいんだけど、そういうことがかっこいいと思えて、楽しかったんですよね。そういうことが自己表現だと勘違いしていました。 ――高校を中退したのはなぜ? 普段から先生に目をつけられていて、高校2年生のある時、先生に「あと1回何かやったら退学」ってイエローカードを出されたんです。でも、また遅刻しちゃったんですよね。寒くて仕方なかったから、おでん食べながら登校したら校長先生が校門の前で待ち構えていて。先生の周りをおでんの汁で囲ったら、次の日に親が呼び出されて退学になりました。めちゃくちゃですね。私は何がしたかったんだろう。