「逃げてもいい。でも高校を辞めても理想の日常は来ない」紺野ぶるまが語る高校中退 #今つらいあなたへ
逃げてもいい。でも、目標がなければ学校は辞めない方がいい
――いま中退を考えている人やその保護者にはどんな言葉を? 無責任だという意見もあるかもしれませんが、本当に学校がしんどいんだったら、私は逃げてもいいのかなと思います。学校が合わなかったり、ほかにやりたいことが見つかった子に無理やり勉強させてどうにかなると思っているの?って思いますね。例えばテストで18点しか取れない子も、ほかにすごく得意なことがあったりするかもしれない。一方で、目標がない人は学校は辞めない方がいい。中退しても、思っているような理想的な日常は来ないから。私の失敗は、目標もなく、反発心だけで中退してしまったこと。でも、やりたいことが別にあるのであれば辞めてもいいとは思います。 ――一辺倒な返答はできないと。 人によって本当に違うんですよ。ただ言えるのは、何かあっても絶対にそれで人生が終わったわけでもないし、その人自身が価値がないわけでもないし、誰かより劣っているわけでもないということ。むしろ、もしかしたらすごく秀でているものがあるのに、適した環境にいなかったせいで弾かれてしまった可能性もあると私は思っています。 時間があるなら、いったんアルバイトをしてみたらいかがでしょうか。朝起きて夜寝ると心が健康になります。とりあえずかつての私のような夜5時に起きて、朝5時に寝る生活はやめましょう!
束縛と孤立の葛藤が待ち受ける
ぶるまさんのように、学校に馴染めない、高校中退で悩まれている人はどのようにすれば良いのでしょうか。20年間高校教師をした経験があり、中退した子どもたちの居場所づくりをしているNPO法人さいたまユースサポートネット代表の青砥恭さんに話を聞きました。 青砥さん: 規則ずくめで、あいまいさがない学校文化は、つらくて死にたいと思うぐらい大変と感じる人がいても不思議ではありません。でも、学校を辞めたら帰属するコミュニティがない。束縛と孤立どちらを選ぶかが難しい選択です。 学校が安心できるコミュニティでなくても、そこにだれか、一人でも自分のことを理解してくれる大人がいれば、救われる若者は少なくないと思います。まずそんな人を一人見つけることができるといいのですが。そして、学校生活をつらいと言ってほしい。その声は一人ではないはず。友達と一緒に学校に問いかけ、ルールや校則を変えることができるかもしれません。話を聞こうという先生も必ずいるはずです。中退を決める前に主張してみてください。 ==== 紺野ぶるま 1986年9月30日生まれ。東京都出身。17歳の時に高校を中退。21歳で松竹芸能の東京養成所に入り、お笑い芸人の道へ。「R-1ぐらんぷり(17年、18年)」、「女芸人No.1決定戦 THE W(17、18、19年)」で決勝進出。「アメトーーク!」の“高校中退芸人”、「しくじり先生 俺みたいになるな!!」に“高校中退して大後悔しちゃった先生”として出演。著書に『下ネタ論』『「中退女子」の生き方』がある。 青砥 恭 1983年から埼玉県で県立高校の教諭。その後、埼玉大学や明治大学で教育学を教えた。2011年7月に特定非営利活動法人さいたまユースサポートネットを設立。中退した後の若者たちの「居場所づくり」と自立のための就労を支援。 【若者支援の相談】※NPO法人さいたまユースサポートネットの青砥恭さん監修 学校での生活に悩んでいる人、学校をやめようと考えている人、中退後困っている人などは相談窓口があります。 ●NPO法人さいたまユースサポートネット 中退した後の若者たちの「居場所づくり」と自立のための就労を支援しています。 https://saitamayouthnet.org/ ●地域若者サポートステーション 若者の就労を支援しています。 https://saposute-net.mhlw.go.jp/#top-07 ●若者相談センター ひきこもりを支援しています。 「自分のすんでいる地域」「若者相談センター」で検索してみよう。 ●精神保健福祉センター 発達障がいのサポートをしています。 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubutsuranyou_taisaku/hoken_fukushi/index.html ※この動画記事は、笑下村塾「たかまつななチャンネル」とYahoo! JAPANが共同で制作しました