サンリオが昭和・平成の百貨店“名物催事”を復活、デジタル世代の子どもにあえてアナログ体験「親子で訪れられる場所と思い出を」
ある一定より上の世代にとって、百貨店とは親子や3世代で訪れる場所だった。屋上遊園地やおもちゃ売り場、レストラン、催事場イベントなどにワクワクした思い出がある人は多いはずだ。しかし、今や百貨店の数も減る一方で、そもそも子ども連れで気兼ねなく、かつリーズナブルにお出かけできる場所も減っているのが現状だ。そうした中、昭和~平成にかけて全国の子どもたちを夢中にさせた百貨店のとある“名物催事”が、このゴールデンウィークに復活している。 【貴重画像】「懐かしすぎる!」知ってる? 昭和・平成の『サンリオフェスティバル』 ■1970年代~2000年代、世の子どもたちを夢中にさせた百貨店の名物催事 昭和から平成にかけて、全国百貨店の催事場で開催されていた『サンリオフェスティバル』 が、このゴールデンウィークに『サンリオキッズフェスティバル』として復活している(京王百貨店新宿店 5/6まで)。同イベントは、ハローキティなどのキャラクターでおなじみのサンリオが、1970年代から行なってきたもの。80年代~90年代半ばの最盛期には、全国20ヵ所ほどの百貨店でお正月や夏休み、大型連休などに恒例開催されていた“名物催事”だった。 この復活のニュースを受けて、ネットでは「子どもの頃、地元の百貨店に来てくれた」「おばあちゃんに連れていってもらった」など当時を懐かしむ声も。サンリオ執行役員の広木義直さんは、「覚えてくださっていてうれしいです」と微笑む。 「私も懐かしいですね。新入社員の頃は、毎年のように現場に駆り出されていました(笑)。今でこそ当社のキャラクターは幅広い世代に親しんでいただいていますが、当時は小さなお子さんが中心でした。『サンリオフェスティバル』はお子さんたちに日頃の感謝を込めて、『商品以外の形でキャラクターと触れ合ってほしい』『親子の思い出を作ってほしい』という思いから始めたものでした」(広木さん/以下同) 子ども向けイベントといえば、近年はショッピングモール等のイベントスペースで開催されることが多いが、昭和の時代にはそうした“場”がなく、大型イベントも百貨店の催事場で開催されることが多かった。 「何より、かつては『百貨店にお出かけする』ことがファミリーのレジャーの定番の1つでした。『サンリオフェスティバル』は収益目的のイベントではなかったのですが、百貨店さん側としてはファミリーの集客が見込める催事として重宝されていたんです」