“新型コロナ後遺症”5類移行から1年も相談減らず「症状で苦しむ患者が絶えない」
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられてから、2024年5月8日で1年が経過しました。 こうした中、新型コロナウイルス感染後の後遺症に悩む患者からの相談が絶えない状況が相次いで報じられています。この内容について中路医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
新型コロナウイルスの後遺症に関する報道とは?
編集部: 新型コロナウイルスの感染後に起きる後遺症の現状について教えてください。 中路先生 厚生労働省の研究班による調査で、2020年1月~22年8月に感染した成人の約1~2割に、新型コロナウイルスの後遺症があったことが明らかになっています。 「感染から2カ月以上何らかの症状が続いた」と答えた人は、調査対象となった東京都品川区で11.7%、大阪府八尾市で15.0%、札幌市で23.4%でした。 こうした新型コロナウイルスの後遺症は現在も起きており、時事通信は「新型コロナウイルスの後遺症専門外来を置く岡山大学病院では、5類移行後も相談に訪れる患者は減っていない」と報じています。 また、岡山大学病院で2021年2月~24年3月に受診した930人を分析すると、新型コロナウイルスを発症してから回復までにかかった期間は平均220日で、症状は倦怠感の割合が最も高かったとのことです。 その中でも、オミクロン株の感染者はほかの株と比べて睡眠障害が約2倍に増加していたそうです。また、後遺症が長引き、抑うつ状態になるケースもあったとのことです。 さらに、読売新聞でも福岡徳洲会病院に取材した新型コロナウイルス後遺症の状況が報じられています。 読売新聞によると「福岡徳洲会病院は、2023年4月に新型コロナウイルスの後遺症の専門外来を設置し、これまでに10~80歳代の約25人を受け入れている」とのことです。 担当医師によると、症状は疲労や倦怠感、頭や胸などの痛み、消化器系の不調が目立つそうです。症状を複数持つ人が多く、物忘れの頻発やうつ病の悪化なども出ているそうです。