148万円の「築58年の空き家」を素敵に整えて暮らす2児の母。リノベ成功の条件を聞くと
大工さんとうまく付き合うコツ
セセさんは、リノベーションで重要なのは、「信頼できる職人さんの存在」だと振り返ります。 「私の場合は、たまたまいい業者さんに巡り会えたのですが、良い方を見つけるのはすごく難しいです。ただ、1人いい業者さんを見つけられると、その方がつながっている、いい電気屋さんや、設備屋さんを紹介してもらえるんじゃないかと思います。 私はまず業者さんに、全ての希望を優先順位をつけて伝えて、『予算の許す範囲内で実現してください』とお願いしました。すると、材料費を抑える方法を教えてくれたり、『この方法だとこういう仕上がりになるけどできますよ』と提案してくれました。最終的には、予算内で私の希望をすべて実現してもらうことができました」 リノベをスムーズに進めるためには、職人さんとの関係性が重要だといいます。 「実は、私の父親が元大工なので、気難しい雰囲気の職人さんにも、グイグイ自分のやりたいことを伝えられたのかもしれません。職人さんに対しては、いいお客さんでいることを心がけていました。やってくださったことには、心から大喜びして、とにかく言葉でお礼を伝えるようにして、作業中に差し入れをしたりしながら、感謝の気持ちを表し続けることを大事にしていました」
シェアハウスで叶える豊かな暮らし
このお家に移り住む前は、お手伝いさんのいる海外の豪邸で暮らしていたそう。築58年のシェアハウスに引っ越すことになり、お子さんたちはどんな反応をしているのでしょうか。 「改装前のボロボロの状態の家に、寒い時期に入居することになったのですが、子どもたちは『このおうち、最高だね!』と笑いあっていました。私は結構落ち込んでいたのですが、その会話に救われたし、絶対いいお家を作るぞ!と改めて強く思いました。 また、シェアハウスでの生活は、子どもたちの成長面や子育て環境としてすごくいいなと感じています。子どもたちはもちろん可愛いのですが、私自身が子どもと一緒に遊んだりするのが苦手で。そんなとき、シェアメイトが一緒にゲームをしたり、遊んだりして関わってくれたりします。もちろん、遊んでくれる人もいれば、遊ばない人もいるので、いろいろな人がいるという学びを子どもたちが得られるのも、シェアハウスのいいところだと思います」 リノベ後のお家の暮らしは、かなり満足度が高いというセセさん。これからのお家作りについては模索中だそう。 「この家を購入する際、移住者を対象にした空き家の改装費用の補助金制度で50万円の補助があったのですが、5年間は居住することが条件だったんです。だから5年間は住むつもりですが、その後のことはすべて決めていません。今後は、古い建物に新しい要素を加えながらリノベしていくコツについて自分の考えを言語化して、もっと多くの方に伝えられたらいいなと考えてます!」 <取材・文/都田ミツコ> 【都田ミツコ】 ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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