元人気Mリーガーが悩んだSNS誹謗中傷「思い出すと涙が出てくる…つらかったです」 丸山奏子が今明かす“戦力外通告”までのプレッシャー
劇的デビュー戦のあとに生まれた「怖い」という感情
――注目を集めたMリーグデビュー戦。丸山プロはラス目で迎えたオーラスに跳満を見逃して倍満ツモを決め、劇的な大逆転トップを獲得しています。あの試合で「丸山奏子」の名前が一気に知れ渡りました。 丸山 もちろん勝てたのは嬉しかったんですけど、正直、自分の選択がよかったのかどうかわかりませんし、今なら見逃さずに跳満でアガっていたかもしれない。でも、結果だけで「丸山はすごい」みたいになっちゃったじゃないですか。自分が思っている以上に「丸山奏子」が過大評価されてしまったかもしれない……というのが、徐々に怖くなってきたんですよね。 ――うまくいきすぎたのが後々プレッシャーになってくる、というような……。 丸山 まさにそうです(笑)。 ――当時の丸山プロは麻雀プロになって2年目、ドラフト指名時点ではまだ25歳でした。そんな選手がMリーグという最高峰の舞台に上がるわけで、注目を集めると同時に色眼鏡で見られることも多かったと思います。 丸山 正直、デビューする前の時点でメンタル的にはいっぱいいっぱいでした。そのころの私はプレッシャーに弱くて、特に「人に迷惑をかけているんじゃないか」みたいな感情になると本当にダメで……。指名してくださった企業の期待を背負って、ファンの方に応援してもらって、やっぱり結果が必要だと思うんですけど、当時プロ2年目の私はまだ「なんとなく麻雀が楽しい」というくらいの温度感でしかなかった。ハイレベルな技術論をされても、理解する能力、雀力がない。「どこから手をつけていいかわからない」という不安と、いろんなプレッシャーの合わせ技で、ズーンと沈んでいた感じでした。
1年目、ベッドから起き上がれなくなった日も
――園田賢プロ、村上淳プロ、鈴木たろうプロと麻雀界屈指の実力派を揃えた赤坂ドリブンズのチームカラーや、丸山プロが入団される前年度にMリーグ初代王者になっていたという点も、ハードルを上げる原因になっていたのかもしれませんね。 丸山 自分が想像していたのと、いざ入ってみたときのギャップは正直ありました。麻雀について教えてもらうにしても、そもそも基本が全然できていない。何をどう質問していいのかもわからない、という状態で……。Mリーガーって本当に限られた枠で、普通は実力や実績を認められた人が選ばれると思うんですけど、私の場合は“異例の抜擢”という立場だったのもあって、「できない」や「どうしよう」を同じ麻雀プロの前で出しちゃいけないと思っていたんです。結局、どこにも吐き出すところがなくて、自分ひとりで抱え込んでしまった。 ――特に苦しかった時期というのは……。 丸山 1年目の12月に、ベッドから起き上がれなくなった日がありました。とにかく気が滅入って手が動かない、麻雀のことを考えたくない。それでまた自己嫌悪に陥って(笑)。でもなんとか「このままじゃダメだ」って自分を奮い立たせる。メンタル的には、そういうアップダウンを繰り返しながら過ごしていた感じです。
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