ニュースパブリッシャーはトランプ大統領の第2期の任期に新たな「トランプ景気」を目にするのか
ニュース消費の二分化
今年の投票日の夜には、メディアパブリッシャーが合計再生回数の66.3%を占めたが、クリエイターも依然として32.6%を占めていたと、スポークスパーソンは付け加えている。 「結局のところ、これは主に利用者がニュースコンテンツを消費する方法が二分化した結果だと思う。多くの利用者は、ニュースのWebサイトを訪れるよりも、音声と動画の形式を選んだ」と、オーディエンス開発およびマーケティング企業のトゥエンティファーストデジタル(Twenty-First Digital)の創設者でCEOを務めるメリッサ・チョウニング氏は述べた。 たとえば、TikTokの米国内での利用者はこの4年間に大きく増加し、2020年の約6000万人から2024年には1億5000万人を超えたと、チョウニング氏は言及した。ピュー・リサーチ・センター(The Pew Research Center)が9月に共有したデータでは、ニュースソースとしてのTikTokの使用は2020年以後で2倍以上に増加したことが示されている。 これは、ロイタージャーナリズム研究所(Reuters Institute for Journalism)が2018年にトレンドの大きな変化を認識して以来、年次デジタルニュースレポート(Digital News Reports)で追跡し続けてきたトレンドでもある。 フロリダ州立大学ローカレッジ(FSU Law)の教授で選挙法を専門としているマイケル・モーリー氏は、有権者は選挙に関する情報源としてソーシャルメディアやポッドキャストのような代替ソースを選ぶようになり、従来型のニュースソースから遠ざかっていることに同意した。 「ニュースパブリッシャーは今後、これらのプラットフォームを使用してニュースコンテンツを配信することを余儀なくされると思う。そして、その労力の結果としてトラフィックに頼るのではなく、それらのチャネルでのエンゲージメントやインプレッションを直接収益化して業務を支えることになるだろう」と、チョウニング氏は述べている。 別の要素として、2020年の選挙は有権者が投票してから4日間にわたって集計されなかったため、その週にずっとニュースで扱われ続けた。今年は多くのニュースや政治編集部が同様なタイムラインに備えていたが、結局は同じ事態にならなかった。 今年は、選挙結果の関係で翌日にフォックスニュースのトラフィックが激増した。タビュラーラボによると、11月5日にフォックスニュースの合計視聴回数は1380万回だったが、翌日には6630万回に増えた(2020年には、選挙の翌日における再生回数はわずか1830万回だった)。 この事実が一部のニュース編集室での編集方針に与える影響は、少なくとも現在のところ、通常の体制に早く復帰できるということだ。 「多くの報道機関と同様に、当社も長い1週間を覚悟していたが、どちらが勝利した場合も読者の心に浮かぶ疑問に基づいた記事の視点を用意しており、当社の機敏なスタッフは、どちらが勝利してもすぐに掘り下げる準備を整えていた」と、ニューズウィーク(Newsweek)でオーディエンス開発担当のシニアバイスプレジデントを務めるジョシュ・アウトリー氏は述べる。 「勝利がより迅速かつ決定的だったため、我々が行ったのは多くの記者を通常の業務とスケジュールに戻すことだけだった」。 [原文:Will news publishers see another ‘Trump bump’ in Trump’s second term?] Sara Guaglione(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:坂本凪沙)
編集部