ニュースパブリッシャーはトランプ大統領の第2期の任期に新たな「トランプ景気」を目にするのか
オンライントラフィックの減少と個人クリエイターの台頭
しかし、この展開が異なったものになる兆候がいくつか存在する。そして、その理由の大部分は、人々がニュースに触れるチャネルが異なることかもしれない。 シミラーウェブのインサイト、ニュース、調査担当編集者のデビッド・カー氏によると、ニュースとメディアの上位100サイトについて、米国内の合計トラフィックは2020年の選挙と比較して2024年の選挙前の週は4.6%少なかった。 集計ベースでは、2020年の選挙期間で最後の週におけるトラフィックの増加率も6.9%と高く、それに対して今年はわずか3%だった。 ニューヨークタイムズやUSAトゥデイ(USA Today)など、米国におけるニュースパブリッシャーの上位20社のうち、1社を除いては選挙前に前の週よりトラフィックの増加がみられた。唯一トラフィックが減少したのはワシントンポストで、シミラーウェブの最新のデータによると訪問者数が0.9%減少して360万人となった。 前の週と比較して、もっともトラフィックが増加したのはNBCニュース(NBC News)で、訪問者数が10月27日の270万人から、11月には25.6%も増加して360万人になった。それに続くのがCBSニュース(CBS News)で、トラフィックが24.6%増加し、またAPニュース(AP News)は23.9%増加した。 タビュラーラボ(Tubular Labs)が米DIGIDAYと共有したデータによると、フォックスニュース(Fox News)からボックスまでにわたるYouTubeのニュースパブリッシャーの上位20社ほどのうち、同プラットフォーム上での各社チャネルの合計再生回数は、投票日とその翌日の両方について、2020年の同じ投票日とその翌日よりも低かった。 11月5日に、ニュースパブリッシャーの合計再生回数は1億5200万回で、2020年11月3日の3億1500万回を下回った。また11月6日にこれらのチャネルの合計再生回数は1億3100万回と、こちらも2020年11月4日の1億5400万回を下回った。 それでもこの数値は、パブリッシャーのソーシャルビデオ戦略がまだ十分に発展していなかった2016年の投票日と翌日の再生回数は上回っている。2016年以降に米国のTVネットワークはソーシャルビデオに投資し、YouTubeのライブストリーミングフィードのような機能を使うようになったと、タビュラーのスポークスパーソンは言及した。 2020年から2024年に再生回数が減少した理由のひとつは、この8年間に個人クリエイターがYouTubeで成長したことかもしれない。米国において、メディアパブリッシャーが制作したニュースと政治の動画のシェアは前年比で22.3%から20.2%に減少したと、タビュラーラボのスポークスパーソンは述べた。一方で、個人クリエイターは米国のニュースと政治の動画について、再生回数の71.8%から74.2%に成長した。