精神科医が教える<しんどい気持ち>をケアする2つのポイント。「『がんばらなきゃ』と思う前に<自分>をいちばん大事にして」
◆いちばん大切なのは「自分」 「成長しなきゃ」「がんばらないと」と言いながら、無理して自分をすりへらしちゃってないですか? 「成長する」のも「がんばる」のも大切ですが、でもね、無理して自分をすりへらしてしまったらもったいない。 いちばん大切なのは「自分」です。 「変わらなきゃ」「このままじゃダメ」「できるようにならないと」と思ったときは、がんばったり努力したりする前にやることがあります。 それは、自分に無理をさせてないか、自分をすりへらしてしまってないか、って自分のことを考えてあげることです。 自分のことを気づかってあげるのです。 そして、そんな自分をまずは癒す、ケアする。 そこから始めてほしいな、って思います。 ポイント:まずは、自分に無理をさせてないか、自分を気づかう。
◆自分が「しんどい」と思ったら、それはもう「しんどい」ってことです。 「しんどい状態」が普通になっている人が多いですよね。 今の日本って、賃金もなかなか上がらないし、円の価値も下がっているし、他人を助ける余裕のある人も少ないし、そもそもコロナ禍を経て、人とのつながりが希薄になっていたりします。 でも、みんな文句を言わずに、がんばって日常を続けてますよね。 こんな環境では、心がしんどくなって当たり前なんです。 それなのに「しんどいって言わずに、我慢してがんばるのが美徳」みたいな風潮がまだまだ日本にはあったりします。 それが普通になってしまっているのはまずい。 だって、人間はそんなに強くないです。 しんどい状況が続くと、気持ちがもたなくなることだってあるでしょう。 でも調子悪いのがメンタルのせいだと思えなかったり、思ってはいけないという風潮もあったりするんですよね。 それに、「しんどいときほど休めなくなる」という人もいます。 「みんなだってこれくらいしんどいだろう」と勝手に思ってみたり、「自分だけが甘えてるんじゃないか」と自分を責めてみたり。 そもそも「みんなが」とか「自分だけ」とか他人と比べる必要はないんです。それぞれバックグラウンドも違えば、状況も、本人の性格も何もかも違うんですから。 自分が「しんどい」と思ったら、それはもう「しんどい」ってことです。