JO1のメンバーと制作チームが語る、8TH SINGLE『HITCHHIKER』のすべて、表現への想い
ストーリー性のある歌詞とともに
―歌について、もう1点お伺いさせてください。今作の『HITCHHIKER』は、以前よりも歌詞が聴きとりやすくなった印象があったのですが、日本語で歌うというアプローチに対して何か意識したことはありましたか。 與那城:第4章でライブ感を強めていくにあたり、歌詞についても制作チームと相談しました。日本語の曲なので、改善できるところがあるんじゃないかということで、今作からやっとわかりやすくなりました。今までのJO1の曲って、歌詞で何を歌っているかわからなかった曲もあったじゃないですか。正直なところ、最初のほうは僕たちも「すごく変な感覚だな」と思いながら歌っていましたし。いわゆるJ-POPって、歌詞が前提だと思うんです。「この曲いいな」とか「こういう意味があるんだ」と読み取れるストーリー性が歌詞にある。でも、JO1の曲ってもともとが韓国語だから、翻訳の影響で違和感のある日本語になってしまうこともあって。 川尻:韓国語で作った曲を日本語にするのは、すごく難しいですよね。 與那城:音節が違うから。韓国語を直訳したら、メロディに絶対に合わないんですよ。だから、意訳して当てはめるけど「ちょっとニュアンスが違うな」ってなることもあるし。そこは、難しいよね。 川尻:最近、『ASIA STAR ENTERTAINER AWARDS 2024』で「SuperCali」を披露したんですけど、練習のときに韓国語版を無意識に歌っていたことがあったんですよ。「なんでやろ」と思ったんですけど、もともと韓国語で作っているから、感じもいいし声も出やすいのかなって。 與那城:これはJO1だけじゃなくて、K-POPアーティストの方たちが日本語にして曲を出すときとかも同じように感じているのかもしれないんですけど、やっぱり落としどころって、難しいなと。 川尻:日本語でしか表現できない言葉も、もちろんあるんですけど。 與那城:ボーカルレッスンをしていて、音の数の違いについても「たしかにな」って思ったな。日本語で「こんにちは」は5文字だけど、韓国語だと「アンニョンハセヨ」になるから音の数が違う。なおかつ、「こんにちは」だとリズムが一定だけど「アンニョンハセヨ」は波があるじゃん。それは、やっぱり歌の聴き心地にも繋がってくるよね。それが、韓国語の曲を日本語に直したときに生まれる違和感だと思うし。 川尻:今回はレコーディングのときにも、意見を出したよね。「不自然だと思うから、こんなのどうですか」とか。 與那城:「ここをちょっと変えていいですか」って。 川尻:相談ベースでの改善も、いろいろな歌を歌わせてもらったからこそ、できるようになってきました。 與那城:本当に最近なんですけどね。 ―では最後に。次のJO1は、どのような楽曲やパフォーマンスに挑戦したいですか。 與那城:景瑚は「BIGBANGさんみたいな強めでみんなが盛り上がれる曲が欲しい」って、ずっと言ってるよね。 與那城:みんなが「歌いたい」って思うような楽曲を出来たらいいなって常々思います。 川尻:イントロの掴みがある鮮烈な曲かな。世の中には、いろんなエンタメがあるじゃないですか。僕は本当に好きな作品以外、同じ映画を2回観たいとは思わないタイプなんです。話を知っているし、次にいうセリフもなんとなくわかっちゃうから。でも、音楽って何回も聴いたことある曲のイントロが、バーッてライブで流れても「この曲か~」ってガッカリしなくないですか? むしろ「この曲が来た!」ってテンションが上がることが、ほとんどだと思っていて。それって、めっちゃ面白い性質。だから、イントロが流れた瞬間に「うわー!」って一気に熱狂できるような曲があったら面白いんじゃないかなと思ってます。 與那城:たしかに。 河野:賛成です!